もう物語は始まってしまった。…これからルークはどんな辛い目に直面するのだろう。

(ルークだけ辛い目に合わせたりしない…絶対に!!)




宿屋から外出しようと思い帝人が外に出ると
ピンク色のオラクル騎士団の制服を着た少女が誰かを探しているようで騒いでいた。

「あれ・・」

そこにルークとリョクと女性が現れ、少女と2,3会話し少女は宿屋を飛び出していった。

「ルーク!!」

主人であるルークが現れ帝人は声を上げてルークに走りよる。

「ミカド・・・!!」
「よかった・・・無事だったんだね。リョク、有難う。迎えに行ってくれて」


ルークの隣にいたリョクの頭をなでお礼の言葉を述べる。…身長は同じ位なのだが。そこにおずおずとリョクの隣にいた女性が不思議そうに話しかけてきた

「私はティアです。あの…あなたは?」
「あ、僕は帝人、と言います。ルーク様のお世話係…です。」

そう帝人は慌ててかしこまり深く頭を下げてにティアに自己紹介した。
あまりルークが様付けで呼ばれるのを好まないのは知っていたが外でしっかりとしていないと馬鹿にされるのはファブレ家なのだ。……散々呼び捨てにしている今、今更なのだが。

「ごめんなさい、こんな所まで公爵家のご子息を連れ出してしまって…」

帝人のあまりの低姿勢振りに釣られてティアも頭を下げる。

「いえっ!!いいんです!!…ルークも、外の世界を見れる良い機会ですし…!!ね?ルーク。」
「おっ、おう!!…っあ!!ミカド!明日はチーグルの森行くからな!…絶対証拠掴んで土下座させる!!」

いきなり話を振られて驚きながらもルークは短く返す。と、先ほどのトラブルを思い出し明日の予定は当然、と言わんばかりに帝人に告げる。

「え、森?別に、いいけど…」

帝人はポカンと呆気にとられながらも返事を返した。

「ルークさ、さっき泥棒に間違えられたり漆黒の翼に間違えられたり散々な目にあってたからねー犯人は結局チーグルだったんだてさ。…イオン様が、言ってたよ。」
「!イオン様…」

帝人ははっと息を飲む。行方不明の導師が居たからではない。また、別の意味での驚きだった。

「導師イオンってヤツも何だよ、行方不明とか言っときながら公式っぽいんだろ?…ったく…どうなってんだか…」

ぶつぶつとルークが文句を呟いていたが帝人の耳には届いていなかった。


その日はエンゲーブの宿屋に泊まり、翌朝、一行はチーグルの森へと向かった…



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