いきなり始まりいきなり終わる30分クオリティ←
とても短いです。
「ねぇ、帝人君、今日静ちゃんと話してたよね?」
「え、あぁ・・・学校帰りに偶然会って。」
新宿の臨也のマンションに手渡された鍵でいつもの様に入り、いつもの様に夕食の支度をしていた時だ。
いつの間に帰ってきてたのかソファからこちらの方をじっと見つめにやにやといつもの見透かした表情で臨也が語りかけてきた。
「また、俺と別れろって?」
「はぁ、まぁ・・・」
帝人が目の前の料理に夢中になって臨也との会話を上の空になりながら聞いている姿を臨也はじっと見続ける。
「別れちゃう?」
臨也がぽろりと漏らした一言に帝人はジャガイモを切ろうとしていた手を止めてゆっくりと振り返る。
「だってさー、静ちゃん帝人君のこと好きでしょ?それに、俺も・・・「静雄さんや臨也さんがどう思ってたっていいんですよ。」
帝人は包丁をまな板の上に置くとゆっくりと臨也に近付きソファの、臨也の前に立ち止まる。そして臨也の首に手を回しふわり、と抱きつく。
「ただ、覚えててくださいね?・・・臨也さんが僕を捨てるより、僕が殺す方が先です。」
いつの間にか帝人の手にはボールペンが握られ切っ先は真っ直ぐ臨也の首に向けられている。
「へぇ・・・?」
「・・・まぁ、今の一言は本気じゃないとわかってるんで、刺しませんけど。・・・一応、覚えててくださいね?」
そう言い帝人は臨也から腕を放し、じっと臨也を見る。その目はいつもの帝人からは考えられない程冷たく光っていた。
だかその光は直ぐ消え失せいつもの帝人に戻り、何事も無かったかのようにキッチンへと身を翻し戻っていった。
「・・・はっ、これだから、帝人君からは離れ難いんだよねぇ・・・!」
心底楽しそうに臨也は先ほどと同じように飽きずに帝人の後ろ姿だけを見つめていた。