静雄×人外?帝人でまたまたファンタジーっぽいパロ




「帝人。帝人!…どこだ?」

静雄が小屋を覗いたとき小屋の中には人気が無かった。小屋が荒らされてる訳では無いからただ遊びに行っただけなのだろう。

「…ったく…しょうがねぇな…」

森の中を迷い無く歩いていく。目を瞑るだけで朧気に帝人の位置が分かる。…そう言う風になっているからだ。
生い茂った背丈ほどもある草をかき分けると開けた花畑にでた。
…ここは帝人のお気に入りの場所だ。
花畑の端に帝人を見つけた。相も変わらず動物や異界の生物に囲まれ、戯れていた。帝人より先に動物や異界の生物達が俺の気配に気付き一斉に俺の方を凝視しある動物は帝人の影に隠れ、ある生物は俺に向かって威嚇し始めた。

「静雄さん…!!」

帝人は動物達の反応で俺に気付き、一目散に走り寄ってきた。

「お前な、家に居ないから心配しただろうが…。」
「ごめんなさい、昨日ルミナリスの花が咲きそうだったから、今日なら咲いてるかなって…」

花畑をチラ、と一瞥し帝人が楽しみにしていた花に目を向ける。なる程花は帝人の読み通りしっかりと咲き誇っていた。

「あー…理由は分かった。でもな、…お前を狙ってる連中も多いんだ。来たかったんなら俺に言やぁ良かったのによ。」
「でも、静雄さん忙しそうだったから…。ごめんなさい…」

申し訳なさそうに帝人は目を潤ませて謝る。あぁ、泣くなよ帝人…。
俺が黙ってたせいか怒ってると勘違いした帝人は潤ませていた瞳からボロボロと涙を流し、大粒の宝石が流れ落ちた。…これは揶揄でも何でもねぇ。これが俺たちが森の奧にコソコソと隠れ住んでいる所以だからだ。

「帝人、泣くな。…俺は怒ってねぇから。」

帝人は俺が生まれ育った村に昔っから住んでた精霊の一族だった。その精霊の一族にも人間の血が入ってたから基本的俺たちと全然変わらなかったんだが、一つだけ違う所があった。…そう、涙が宝石に変わることだ。
その秘密は強固に守られていたが、ある日何故か秘密を知り得た強欲な人間共が村に押し寄せてきた。村の人間は決して仲間を、精霊の一族を売ったりしなかった。俺と帝人はまだ幼かったから他の大人達に守られ、命からがら逃げおおせる事が出来た。…が、捕まった村の皆は、見分けはつかないのだ。泣かしてみなければ。…どんな事をされるのかは想像に難くない。

「村の皆の事、考えてるの…?」
「…ぁ、あぁ、すまねぇ…」

俺が黙り込んでるのでそう感じたらしい。
この話をするとまた帝人が悲しい顔をするから無理やり話題を変える。

「帝人、さっき言い忘れてたんだけどよ、今日は久しぶりにクッキー買ってきてやったぞ?」
「えっクッキー!?」

今までの悲しい顔はどこへやら、帝人は期待に胸を膨らませキラキラと瞳を瞬かせる。動物達に別れを告げると早く早くと俺を引っ張り始めた。
…そう、帝人に涙は似合わない。

…だから、ずっと俺は帝人を守る。
だから、ずっと俺の傍で笑っててくれ――




書ききれないサイドネタだと村の秘密を流したのは臨也。村人じゃないけど偶然帝人に一目惚れ&秘密を知った臨也は村の守りが堅い為情報を流して村を崩壊させて未だ帝人君をしつこくstkしてる、と。







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