寝る前の布団の上で、今日もあの人のことを想う。
あの人・・・静雄さんのたまにしか見せてくれないまぶしい笑み、安心できる大きな手。あの大きな腕に包まれるのを想像するだけで身体が熱くなる。
静雄さんの事を考えていると自然に手が下肢へと伸びていく。

「ん・・・
いつもあの大きな手で優しく、けれども性急に扱かれるあの感覚を思い出し僕はゆるゆると自身のソレを扱き始めた。

「んん、ふ、くぅ・・・」
『帝人、気持ちいいか・・・?』

そう気遣ってたまに覗き込んでくる貴方の不安そうな表情が愛しい。
少しもどかしくなっていつも決まって自分から求めてしまう。

「静雄さん・・・っく、ああ・・・」

段々と扱く動きが早くなっていく。夢中になって動かしていると頭瞬間が真っ白になった。あぁ、もう、イく・・・!

ぷるるるるる

「っ!?」

あれは静雄さん専用の着信音だ。反射的に僕はその電話にでてしまった。

「・・・、もしもしっ。」
『あ、わりぃ・・・寝てたか?帝人。』
「いいえ、大丈夫です。布団の上でぼーっとしてました。」

勃ち上がったままの自身をもてあましながら、静雄さんと話しながらこんないやらしいことをしていると思うと浅ましい事にどんどんと欲が膨らんでいく。

「静雄、さん・・・どうしたんですか?こんな時間に・・・」

再び手は自然と自身にのび、ゆるゆると扱く。吐く息は熱く、静雄さんに気付かれはしまいかと思いながらその手はどんどんと早さを変えていく。

『いや、帝人の家の近くに来たもんだからよ、どうしてるかと思って・・・』
「そうなんです・・・ひぅ!?」

ゆるゆると扱いていたら偶然爪で先端を引っかいてしまってつい声を出してしまった。電話の先では静雄さんの息を呑む音が聞こえてきた。
もしかしなくても、ばれてしまったのか・・・?

『帝人・・・お前・・・一人で、してたのか?』
「ごめんなさ・・・っ」

顔から火が出るかって位に恥ずかしくてたまらなかった。心なしか声も震えて涙目だった。

『帝人、泣くなよ?責めてるわけでも、ましてや軽蔑なんかするわけねぇから。・・・そうだな、手伝ってやるよ。』
「え・・・?」
『帝人、今何してる?正直に言えよ?』

やさしく、いつものように静雄さんはささやくようにそう言った。僕は何故かなんの抵抗も無く静雄さんのその言葉に従ってしまった。

「今、布団の中で静雄さんを想って自慰を、していました・・・」
『そうか・・・、後ろは、弄ってねぇのか?帝人、俺が後ろ弄るの好きだろ?・・・自分でやってみろよ。』
「は、い・・・」

暗示にかかったかのように静雄さんの言葉は脳の奥にまでしみこんで来る。すぅ、と後孔に手を伸ばし、先走りの滑りで入り口の周りをほぐす様に撫でる。

「んぁ・・・っ!静雄さん・・・っ!」
『ゆっくり解すんだぞ?急ぐとキレちまうからな・・・?』

その言葉に促され、ゆっくりと入り口を撫で、指を一本、ナカへと挿入する。ナカは狭く、ギチギチを指を押し出そうとする。ソレを出来るだけ下肢から力を抜き解す様にと内壁を撫でていく。

『ほぐれてきたら、ゆっくりでいい。指の本数増やしてみろよ。』
「は、ぃい、んやぁあ・・・っ!」

2本、3本と増えた所でイイ所をかすったのか信じられない様な高い声が出てしまった。恥ずかしい!でも、電話の奥で静雄さんが笑った気がした。

『ソコがよかったのか?帝人・・ソコをもっとこすってみろよ。ほら、前も弄ってな。』

その言葉に従いその場所を何度も何度もこすりながら自身を扱くと何も考えられない快感に襲われる。

「あ・・はぁっ、は、し、ずぉ、さぁ・・・!しじゅおしゃ・・・・っうああああぁあ!!」

静雄さんの名前を呼びながら僕は真っ白な世界へと堕ちていった。


「ん・・・」
目を覚ましたらそこには静雄さんが居て、自慰をしていて乱れた服は元通りになっていた。
もしかして、静雄さんが身体拭いてくれた・・・!?
「静雄さん・・・?」
「おう、すまなかったな、へんな事させて・・・」
ばつの悪い顔を浮かべながらそういって僕の頭を撫でる。へんな事?ああ、電話のやつ、かな?そんなこと僕思ってないのにな・・・
「静雄さん、僕、静雄さんのこと一杯考えられて幸せでしたよ?変なことじゃないです。」
静雄さんに元気を出して欲しくて、静雄さんの腕にすがり付いてそう言う。すると静雄さんは少し頬を染めて嬉しそうに笑ってくれた。
今なら、言ってもいいかな・・・?

「あ、でも一つだけ、お願いが・・・」
「お願い?なんだ?言ってみろよ。」

静雄さんの笑みが消えないうちに矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。

「ぼ、僕の布団狭いですけど・・・っ一緒に、寝てくれませんか・・・っ?」

あぁ、言った・・・!どんな反応が帰ってくるかと恐る恐る静雄さんの顔を覗き込むと、さっきより深い笑みを浮かべて僕の頬をするりと撫でた。

「了解、帝人。」



今日の布団の中はいつもよりずっと暖かかったです。



尻切れ終了!






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