ワールドホリック



足元に広がる血の海、転がっているのは人だったモノ。

「ありゃー。これまたハデにやらかしたなー」

後ろから突然響く軽い口調、隠すことのない足音、こんなふざけた奴はただ一人。

「アホボス!あんたなんでコッチにいるんだい!?あんたのターゲットはどーしたのさ!」

「んー。終わった。可愛いしいなちゃんがケガしてないかなーって心配で見に来た」

「はぁっ!?そんな確認、無線でしな。ボスなんだからまだまだやることあるって分かってんのかい?終わったらさっさっと帰って事後処理!それと終わったなら終わったで連絡いれな!ったく、どーしてあんたはいつもいつも……」

「わーわーわー!分かったってば、マジすまん。だから抑えて、な?壊滅させたとは言え、まだ敵の本拠地なんだから、な?」

こんな所で、しいなのお説教モードに拍車が掛かってしまったら本当に帰れなくなりそうだ。
「……帰る」

お説教から逃げられると思ったら、今度は不機嫌モード。

しいながドスドス歩くたびに、血溜まりが跳ねて服を汚していく。
そんなこと気にせず、先を行ってしまったしいなを追いかける様に、足を踏み出した。

「しいなー。待てよー!置いてくなんてヒデーぞ!」

ぐしゃりと何か踏み付けてしまったけど今はそんなことより、しいなの機嫌を直すこと方法を探すことが重要だ。



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