極彩色の景色



今回の任務はパーティーでのボスの護衛。
ドレスアップもしなきゃいけないし、こんな場所も嫌いなのにボスのご命令だから仕方ない。

隣にいるボスは今晩の主催者である爽やかそうな人物と会話をしていて、あたしは半歩下がっていた。

「初めまして。しいなさん。あなたの噂は聞いていますよ」

突然あたしに振ってきたソイツは、ウチのボスみたいなヤツだ。
現に、腰に手がまわっている。
そして、一瞬感じる胸への視線。

抑えろ、あたし。

「初めまして。お褒めに預かり光栄です」

「こんなにも美しい女性がいるなんて、そちらは羨ましい限りですね」

跪いて、あたしの手の甲にキス。


「ぶっ殺す」

そうそう、あたしもそう思った……。

「ってボス!?」

ドン!という音と共に倒れる、セクハラ男。

「あんた何やってんだい!!」

「何ってムカついたんだもん、仕方ねーだろ」

「アホゼロス!」

「ほらほら、敵さん大集合だぜ〜。がんばろーぜ」

あんたのせいだよ。あんたの。

ドレスの裾から隠していた銃を抜けば、敵さんからの銃弾こんにちは。

元凶のボスはムカつきオーラ全開だし、あーもう最低!

帰ったらシメてやる!



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