スーパースター


「スーパースターに会いに行こぜ!」

また始まった。
ゼロスの突発的発言。
振り回される身としては、迷惑極まりない。

「どこのだれだい?」

「夢の国の鼠」

「……はい?」

鼠がスーパースター?
わけわかんない。

「だーかーらー、映画に出るわ、踊るわ、ドラムだって叩ける、誰からも愛されるスーパースターに会いに行かないかって言ってんの」

ゼロスも認めるスーパースターに興味がなくはないけど、妙に嘘くさい。

「その人…じゃない。ネズミの名前は?」

「それは言えねぇ」

……ますます嘘くさい。名前が言えない意味が分からない。

「なんでさ?」
「危険すぎるから」

顔は至極マジメなのに、言ってることが滅茶苦茶だ。
ネズミでスーパースターなのに名前が言えない?もしかして犯罪者とか?いや、でも夢の国在住で……。
そんなネズミをゼロスがスーパースターだと認めている。

「もしもーし。しいなちゃーん?」

「悪いんだけど、もっと詳しく教えてくれないかい?」

「んー。説明するより会いに行く方が早いと思うけどなー」

そんな訳の分かんない危険ネズミに簡単に会えるかっ!

「そんでー。一緒に写真撮ってもらうだろ?そしたら、ポップコーン食って……あ、おれ様のオススメの甘くてしょっぱいアイスも食べるだろ。んで、後はテケトーになんか乗って、最後に花火見る。どーだ、楽しそうだろ?」

何を今まで悩んでいたのが不思議なくらいだ。
良く考えれば、すぐに分かるけとなのに。

「……遊園地?」

「それ以外に何があるっつーの」

「なら、そのネズミの名前……」
「ここじゃ言えねぇから、現地で教えてやるよ」


上手くゼロスに、はめられた気がするけど、まあ良いか。

スーパースターに会いに行ってやろうじゃないか。


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