3分間ラプソディ
目の前に威圧感バリバリでいるのは、カップラーメンとしいな。
あのーしいなさん?
目が恐いんですけど。
「えーっ!カップラーメンかよ!しいなの手作りが良かったー」
あえての明るいフリも虚しく、鬼の形相は変わらない。
「あんた、あたしにケンカ売ってる?お腹すいたー何か作ってって言ったのは誰だい?」
「センセー」
「冷蔵庫に酒と水しか入ってないのは、どこの家だい?」
「……センセーんち」
おっと、さすがに分が悪くなってきたかも。
「この寒い中、歩いて10分のコンビニに行けなんて言わないよね?」
「滅相もございません。カップラーメンで十分です。3分で出来る愛情をビシバシ感じております!」
はい、おれ様の負け。
いつ買ったかも分からないカップラーメンを掘り起こしてくれた、しいなに感謝してます。
「あたしに対するイヤミかい?」
「いやいや、3分あればカップラーメンは出来るわ、世界だって救えるからな」
「あんたの食生活って、最悪」
「そう思うなら弁当作ってくれよなー。職員室で、はいっセンセっ、今日はセンセーの好きな唐揚げだよっ。とか」
「キモイウザイ」
そんなツンデレも可愛いけどな。
なんたってナイショの関係なんだから、職員室でそんなことしたらどこか遠くに飛ばされちゃうし。
「ぐはっ、センセー傷ついたー」
「……そんなことより、3分とっくに過ぎてるよ」
「うぎゃー!貴重な食料が…」
あー、麺伸びてる。
「今度来るときは買い物してからにするよ」
「ブフォ…っマジで?次もあんの?」
「汚いっ!どーせコッチには拒否権なんかないだろ?」
ちくしょう、麺が鼻に入って涙出てきたぜ。