注意
私はTOX2を最後まで終わらせてません。やっとミラ様が出てきたくらいまでしかやっていないので、その時点の知識で書きました。おかしな点が多々あるかもしれませんがご了承ください。
当然のようにネタバレありです












「ルドガー…?」


目の前に広がる光景は異様だった。
ルドガー、ジュード、レイア、ローエン、ミラ、エリーゼ、アルヴィン……誰も私と目を合わせようとしなくて、悲しそうに俯いている。いつも明るいエルさえもルルを抱き締めて、ずっと地面に目を向けている。


「ごめん」

「ルドガー…、なんで謝ってるの?」

「………ごめん」

「ねぇ、皆変だよ…?どうしたのさ、今から王様のとこ行くんでしょう?早く行こうよ」

「無理なんだ…」


かちゃりという金属音がして、鞘から引き抜かれた双剣の切っ先が私に向けられる。他の皆も各々の武器を手にして構えた。




「……ロナ、ごめんね」

「ジュード?」

「仕方ないのよ…」

「ミラ?」

「嫌だよ、こんなこと…、どうして、どうしてロナなの……ッ?」

「レイア?」

「悪く思うなよ…」

「アルヴィン?」

「申し訳ありません」

「ローエン?」

「本当はこんなことしたくありません!でも……っ」

「エリーゼ?」

「エルだって…!エルだって…嫌だよこんなの!」

「エル?……ねぇ皆どうしちゃったの?ルドガー…?」

「ロナ…、君を…、殺す……ッ!」


一気に間合いを詰められて、降り下ろされた剣を右手で抜いたナイフで受け流す。
左手で抜いた剣でアルヴィンの斬撃を受け止めてから、横から来ていたジュードを蹴り飛ばした。レイアの棍をかわしながらミラとローエンの術の範囲から逃げて、皆を傷つけたくないけど、防御するのも限界で、致命傷にならない程度の技を放つ。
でもエリーゼがすぐに回復してしまって、私は少しずつ傷が増えて気力も体力も削がれてくのに、回復術をかけてくれる人も、声をかけてくれる人もいない。おかしいな、なんでこんなことになったんだろう。なんで私皆と戦ってるんだろう?


「う゛ぁ……ッ」


もう、限界だな…。
ぶっ飛ばされて、受け身がとれなくて地面に体をもろに打ち付けた。目の前に誰かが来たけど、視界が霞んでいてよくわからない。


「ロナ……ッ」

「る、どが…?」

「ルドガー迷うな!!」

「正史世界のロナは…、僕たちのせいで………ッ」


あぁ、そっか。
ここは分史世界で、私が時歪の因子だったんだね。


「……いーよ、終わ、らせて……」


ぐさり、例えるならそんな感じで、私の体を槍が貫いた。
不思議なことに痛みはなくて、けど、体が欠けていくような感覚が体の先からだんだんと迫ってきた。


「ロナ、ごめん…、ごめん……ッ」


私を抱き締めて謝り続けるルドガーは泣いていた。謝らなくたっていいのに、仕事なんだから仕方ないのに。

ルドガーには笑っててほしいんだ。

わずかに動く腕を持ち上げて、そっと涙を拭ったら、ルドガーが驚いた顔をして、私の意識はそこで途切れた。










どうか君が、少しでも苦しまずにすみますように。







―――――
なんか、わかり辛いので説明です。
正史世界ではロナはもう死んでいます。で、「もし、ロナが生きていたら」っていう分史世界をルドガーたちは壊さなきゃいけないという話です。
end
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -