席が後ろになった。
席替えをして、今日学校に来て新しい席に座れば、見える景色がちがう。今までだったら見えなかった窓の外とか、机に突っ伏して寝てる人とか見える。ほら、あそこにも……って、あー、ツナくんも武くんも爆睡中だ。先生もいつもこうだから諦めちゃってるみたい。まぁ、たしかに五時間目の国語は眠たくなるよね。私もなんか……眠たくなってきた。
だんだん意識が遠のきそうになる中、なんとなく視線をさ迷わせていたら、何やら熱心にノートに書いてる隣の獄寺くんが目に入ってきた。そんな彼を見て一気に覚醒した。だって、あ、あの……あの獄寺くんが、真面目に勉強してる!ガラは悪いし、先生に目を付けられてるし、タバコ吸うしで、いかにも不良って感じの獄寺くんが……。
必死に手を動かしている。
びっくりだ、びっくりした。何時も勉強なんてって感じのことしながらもテストではすごい点取るしで、なんとなくズルいなとか思ってたけど、やっぱりちゃんと勉強してるんだ。しばらく一生懸命ノートに書き込んでいる獄寺くんを見ていたら、


「…………。」
「…………!」


目があった。
いきなりすぎて私はしばらく固まって、獄寺くんもそんな私をじっと見ていた。あ、今までこんなにまじまじと見たことなくて知らなかったけど、獄寺くんはハーフなだけあって、目の色が綺麗だ。いや、目だけじゃなくて、顔のパーツが一つ一つ綺麗で…、そんなことを考えていたら獄寺くんが急にばっと顔をそむけてしまった。あ、ざんねん。でもどうしたんだろう?
なんか……顔が赤い?
キーンコーンカーンコーン
終業のベルが鳴って、教室が騒がしくなる。それと同時に獄寺くんは立ち上がってツナくんの所へ行ってしまった。そんな彼を眺めながら、私は新しい席はなかなか面白いかもしれないと思う。いろんな人を観察できるし、特に隣の獄寺くんは見ていて楽しい
明日から観察日記でもつけてみようかな
なんてね。




「十代目ぇぇえ!!」
「うわっ、どうしたの獄寺くんって、何でそんな顔赤いのっ!?」
「き、気のせいっすよ、それより見てください!」
「これって……、G文字?」
「そうっす!今授業中に考えた新しいバージョンです!」
「授業中になにやってんのーーっ!?」



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