大っ嫌いっ
大大大大っ嫌い!!
ベルなんか嫌いだもんっ
私が任務に行こうとする度に嫌味言うし、少しでも怪我して帰れば、この仕事向いてない辞めればとか言うし、私の作った料理を食べれば不味いなんて言うし、少しお洒落してスカートはいたら似合ってないそんな姿人前に晒すなって部屋に閉じ込めるし……
意地悪だ、ベルは私に意地悪だ。だから嫌い、ベルなんて大っ嫌い!!!


「ね?ルッスーリア、酷いと思わない?」
「う〜ん、そうねぇ……」


午後三時、ルッスーリアと毎日恒例のティータイム中。私はとりあえずベルがしてきた酷いことをルッスーリアに愚痴る。(これも毎日の恒例になりつつある)
どれだけベルが私に対して酷いのかを語ったと言うのに、ルッスーリアったら何だか曖昧な返事しか返してくれない。もう、なんで?


「私が思うにね美沙ちゃん」
「うん」
「それって全部美沙ちゃんのためにやってるんじゃないかしら」
「は?」


あれれれれ?ついにルッス頭が変に?いやおかしいのは前からか、じゃなきゃ死体集めなんて……


「全部聞こえてるわよ〜」
「いひゃいっ、ほっへたふへるのひゃめてぇ〜(痛いっ、頬っぺたつねるのやめてぇ〜)」


涙目になるほどつねられた……。今だヒリヒリする頬っぺをさすっていると、ルッスーリアが話始めた。


「美沙ちゃんが任務に行こうとする時の事なんだけど、」
「そうだ!!聞いてよ、この前なんて私が殺す予定だった標的をベルが、あんな雑魚俺一人で十分、お前いたら足手まとい。とか言って私のこと置いてったんだよ!?」
「それって美沙ちゃんを任務に行かせたく無かったからじゃないかしら」
「はい?」
「だってあなた暗殺任務嫌いでしょ?」
「う………」


ヴァリアーいて暗殺嫌いとか意味わかんないけど、私はその意味わかんない人間なのだ。だから基本は諜報任務に就かされるんだけど、どうあがいても暗殺任務からはここにいる限り逃げられない。


「そういえばベルが私を置いてく任務って……」


全部暗殺任務だ。


「でしょ?やっぱりベルちゃんは……」
「でもでも!!事ある度にヴァリアー辞めろとか言われるし……」
「それは美沙ちゃんを殺しの舞台から遠避けるため」
「他にも!私が作った料理不味いって……」
「実際に不味いもの…、あんな見た目がグロテスクな料理食べてくれるのはベルちゃんだけでしょ?」
「う…、でもっ、私がお洒落したりしたら……」
「美沙ちゃんが私服で着る服が色々と際どいからよ!あのスカートなんて短すぎるし……あんな格好でどこかうろついたりしたら、危ないのはあなたよ?」
「……だ、だけど!」


それ以上言葉が続かない。そう考えてみるとベルの今までの行動は、私を思ってやったことと考えた方が自然だ。


「それに美沙ちゃん、あなた本当にベルちゃんのこと嫌いなの?」
「え………?」
「口を開けばベルちゃんの事ばかり話すし、嫌い嫌い言うわりには作った料理持って行ったり、お洒落した姿をわざわざ見せに行ったり……」
「わた、私は……」


私はベルの事が嫌いじゃないの?じゃあ本当の気持ちは………なに?


「少しは自分に素直になってみたら?」


私、ベルの事が……好き、なの……?
だけど……、なのに、私は……っ


「ベルのとこ行ってくる!!!」


駆け出した私にルッスーリアの呟きは聞こえなかった。


「もう、お互い素直じゃないんだから……」









「ベル!!」


私が来たのはあいつの部屋。いきなりドアを開けて駆け込めばベルは少し驚いた表情。のはず、目が見えないから詳しいことはわからないけど。


「雛野の方から来るなんて珍しいじゃん」
「ベル、あのね、あのね、私……」


ふかふかなベッドに腰かけてるベルの隣に私も座って、その見えない瞳を覗きこむ。


「私ね、ベルの事が好きみたい」








180度回転したら、
私の世界はあなたでいっぱい



「ベル、大大大……、大好き」
「気づくの遅せーし」
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