「じゃ、約束だ」

そう言って左手の小指を差し出した。

「…Hey,指切りだぜ?」

指を凝視したまま動こうとしない幸村に、まさか分かってないのかとそう言ってやると、それは分かっておりますと軽く睨まれた。

「じゃあ…」
「某は指切りは致しません」
「Ah?why?」
「この指は…運命の相手に繋がっていると聞きます。なので某は、交わすのはその方のみ…と決めているのです」

幸村が自分の小指に視線を落とす。

「なら問題ねぇな」
「は?」

半ば強引に幸村の小指に自分の小指を絡める。

「アンタのdestinyの相手は俺だからな」

ニッと笑えば、幸村はボッと赤くなって、「放して下されー!!」と叫びながら勢い良く腕を振った。
大した力も込めずただ絡めただけだった俺の指は、呆気なく振りほどかれてしまう。
その瞬間、幸村は踵を返し物凄い勢いで廊下の向こうへ消えてしまった。

ニヤッと一笑いしてから、すぐに自分も走り出す。
幸村が姿を消した方へ。


どこにいたって見つけてやるさ
(この赤い糸を辿ってな!!)









[*前] | [次#]





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -