「服、着てくれたんスね!」

以前自分が選んでプレゼントした服を着ている黒子を見て、黄瀬は嬉しそうに言った。

「似合ってる。めっちゃ可愛いっス!」
「ありがとうございます」
「でも…」

と、黄瀬がそれまで輝かせていた表情をふと曇らせた。

「こんな可愛い黒子っち、誰にも見せたくないっス。他の人の前では着ないでね」
「………」

その言葉に、黒子は無言でジッと黄瀬を見つめた。

「?」

視線の意味がわからず、黄瀬は首を傾げる。

「…さぁ、それはどうでしょう」
「え?えぇ?ダメっスよ?絶対!ちょっと、聞いてるっスか?黒子っち?」

黒子の返答に、絶対!絶対ダメっス!と尚も懇願する黄瀬を横目に見る。

「何でですか?折角君が選んでくれた服なのに」
「だからっスよ。服ってのは、脱がせるためにプレゼントするんスよ。だから、ダメっス」
「…成る程。ではどうぞ」
「へ?」
「脱がせてもいいですよ?」
「/////」

どうぞ、と両腕を広げてみせると、黄瀬は真っ赤になって固まってしまった。

そして、それは反則っスよ、とぼそりと溢した黄瀬に、黒子はやれやれと肩を竦めるのだった。


黄瀬くんと会う時以外に着るという考えがそもそもなかった…なんて、言っても調子にのらせるだけなので絶対秘密です。



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