吹雪敦也


※アツヤが生きてます



『アツヤあったかー』

私の住んでいる北海道は寒い。とにかく寒い。
たとえ校舎の中に入っていても暖房が効いていなければ寒い。


「ばっ…!やめろよ!さみぃ!」


「アツヤ、首を触られたぐらいで大声出さない。」


士郎とアツヤは私の幼なじみ。家が隣で、中学生の今もお互いの家に行き来している。


「そうやって兄貴まで名前の味方すんなよ!」

『だって…』『「ねー!」』


「ねー!とかうぜー」

アツヤは士郎の頭をバシバシ叩いた。

「ちょっ、アツヤ!名前が好きだからって!べつに仲良くしたって良いじゃん!」


「ち、違う!べ、べつに名前と付き合いたいとか思ってねーんだからな!」


いや、べつにそこまで言ってない気がします。


「で!付き合うのか!?付き合わねーのか!?」


『え、本気で言ってんの?』

冗談かと…

「当たり前だろ?で、どっちだよ!」


『え、とその…』


私は恥ずかしいのとアツヤの顔が怖いのとの二つが重なって逃げ出した。



後ろからアツヤの声が聞こえるが無視。でも、勘違いすると可愛そうなので後ろを向いて言ってやった。



『好きだ馬鹿!』






(僕空気だよね)
(名前が俺を好き!?マジかよ!)





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