南雲晴矢
『晴矢のばぁか』
彼氏の晴矢と喧嘩した。理由は急に練習が入ってずっと楽しみにしていたデートに行けなくなったから。
私だって我慢はしていたほうだとはおもう。毎回毎回ドタキャンで出掛けられなくてデートなんて数回しか行ったことない。
もう嫌だ。別れたい。スキだけど。辛い恋愛はしたくない…
私の頭に今までの出来事が走馬灯のように流れ込んできた。
晴矢に告白されたとき。晴矢と想いが通じたとき。晴矢と手をつないだとき。晴矢の優しさに触れたとき。晴矢の愛に気付いたとき。
今更。その言葉は今の私にピッタリだ。何しちゃったんだろう。もう晴矢は私みたいなわがまま呆れちゃったよね。
「名前!」
晴矢?ううん、晴矢は練習中だもの
「名前!」
でも暖かい体温に包まれたとき、晴矢が居るんだと分かった。
『なんで…?練習じゃ…』
「ンなものより、名前のほうが大事だ!」
『じゃあなんでいつもドタキャンするの…?』
すると晴矢は苦痛そうに顔を歪めた。
「名前の優しさに甘えてたんだ…いつもドタキャンしても笑って許してくれた名前に……」
ゴメン。晴矢は言った。
あぁ、私は晴矢にきっと勝てない。
『大好き晴矢』
「俺も大好きだ名前。」
まだ愛してるは使わない。まだ子供な私達。でもいつか愛してるを使える日がくればいい。私はそう思う。