風丸一郎太
ピーーー!!!
『も、無理だって。これ以上やったら体の水分抜けて干からびてから蒸発して
この世とサヨーナラー的な?』
「いや、ならないから」
今は、体育の時間で100bの練習だ。かれこれ15本くらいはやっている。
『体育でこんなにやるの?まじで帝国とか行こうかなぁ』
名前がそう言うと友達が呆れた顔をした。
「名前、アンタ馬鹿?帝国は頭いいんだから、授業着いてけないわよ」
『はっ…さいですか』
名前達がギャグみたいなコントをしていると急にクラスの女子達が騒ぎ出した。名前の友達も。
『え…何…?』
名前は、いきなり騒ぎ出した女子達を見て呆気に取られていた。
「名前!見てみなさいよ!!風丸様が走ってるわよ?」
『だれ…?それ…』
しかし、名前が呟いた言葉は周りの雑音←で消された。
『とりあえず見てみよ』
名前は女子達を掻き分け前に出た。
すると、男の子が水色の髪を靡かせながら、もの凄いスピードで走っていた。
男の子は走り終わったのかこちらに歩いてきた。
『美形…』
しばらく名前は男の子を見ていると、友達が
「あの人が風丸様よ」
と興奮気味に言った。
すると風丸、と呼ばれた人が、名前達のところに近づいてきた。
「苗字さん。」
自分の名字を呼ばれたのでそちらを見ると風丸が立っていた。
『はぃぃいい…!?アタシィイ!?』
「クスッ…そうだよ、苗字名前さん。
俺と付き合うことを前提に友達になってください」
いきなりの爆弾発言に周りの女子達はまた騒ぎ出した。
『(えっ?え?)ちょ…何かの間違え「じゃないよ」
ですよね〜!!』
名前が風丸のほうを見ると爽やかな笑顔、だったが、すごく黒いものが出ている。
「苗字さん」
ニコッ
先程よりどす黒いものが出ている。
『ぎゃぁぁああ!!!』
名前は恐さのあまり逃げ出した。
すると風丸も追いかけてきた。
『絶対ドSだ!!!』
「俺のこと?」
風丸は名前の隣を必死に駆けている名前に対して余裕の走りを見せている。
『出たァアアアア!』
「やだなぁ、俺、幽霊じゃないんだから」
風丸は苦笑いして名前の肩を掴んで、そのまま頬に唇を落とした。
(な…………!?)
(絶対に惚れさせて見せる)