※愚者の長考と同一設定

 どうやら、セフレではなかったらしい。実はいまだによくわかっていないのだけれど、本人がそう言ってたし、なにより深く考えないで受け取れと言われたのでやっぱり私は水上敏志の彼女、らしかった。
 世に聞く彼女という生き物は、彼氏に甘えてもいいらしい。水上敏志は私の彼氏なので、つまり、私は水上に甘えてもいいということになるのだけれど、それって普段と何も変わらないんじゃないだろうか。私は世話を焼かれっぱなしの存在なのである。甘えるがいまいちよくわからなかったので私より頭の良さそうな友達に聞いてみた。村上くんは多分賢いのでなんでも知っていると思ったからだ。助けを求める私のしどろもどろな言葉をしっかり聞き届けてくれた村上くんは多分聖人なんだとおもう。水上とどう接したらいいかわからないんだな、と上手く私の聞きたいことをまとめてくれた村上くんは、うんうんと頷いた。
「したいようにしたらいいんじゃないか?」
「したいように?」
「スキンシップとか」
「すきんしっぷ」
 流石に、どんなスキンシップなら許されるかな、までは聞かなかった。とろくて頭が弱くても、そういうのは村上くんに聞いちゃいけない気がしたので。苦悩は続くのであった。


患者は不在



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