拍手ログ1 | ナノ

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※静臨♀
※中学生×カフェ店員


「好きだ」


だめだめ。そんなんじゃ全然。これっぽっちも。


「何でだよっ…」


あのねシズちゃん、きみが顔を真っ赤にして絞りだしたその好きは、私の好きとは違うんだよ。君のそれはとっても可愛いね、お砂糖みたい。でも私のこれはぐちゃぐちゃして掃き溜められた赤血球みたいなんだよ。分かんない?ああ、要はお昼にやってるドラマみたいな感じ。あれ、見た?凄かったよね。実際にあんな展開があったら警察沙汰だもんね。
つまり何が言いたいかというと、シズちゃんの好きじゃあ私のそれとは釣り合わないってこと。もし私が好きって言っても、きっと重すぎて伝わらないよ潰れちゃう。だからシズちゃんの気持ちには応えられないよ。ところでシズちゃん何飲む?え、ブラック?止めときなよ。苦いよ。もう、知らないからね。


「じ、じゃあ、どうしたら臨美は俺を好きになってくれるんだよ!」


落ち着きなってば。それは君が大人にならなきゃ駄目かなあ。青春真っ盛りの少年にどろどろ恋愛を体験させるのはよろしくないし。ほーら、ブラックなんて飲めないでしょ。ミルク入れなよ。ていうかシズちゃん中学生だよ?その年じゃ私犯罪者じゃん。ま、気が向いたら待っててあげるよ。
あ、でもこんなに純情なシズちゃんがメロドラマみたいな感じになっちゃうのってなんかやだなぁ。やっぱり子供でいてくれる?シズちゃん的にもそっちの方がいいんじゃない?


「俺は!臨美の為ならどうなったって、」


うん健気健気。そういう所が子供なんだってば。君にはまだ早いんだ。諦めなさい。さあさあ子供はもう帰る時間だよ。駄目だからね、お家の人に心配かけちゃ。
……何してるのさ。早く帰りなよ。だからー、何度言ってもだーめ。私は好きじゃない。ほら、お願いだからもう帰って。

は?別にそんなこと無いってば。何で私が焦るのさ。うるさい。マジで帰れ。


「…明日も来るからな」


来なくていいよ!…ってああもうなんでそんな悲しそうな顔するの。
全くすぐに背伸びしたがるんだから。あーあ、これだから子供は嫌なんだ。ていうか実際に伸びてるしね、身長だけは。どこまで大きくなるのかな君。まあ、別に?それを見届けるまでなら、ここに来てくれてもいいけど。え、ちょ、何赤くなってるの!そういう意味じゃないから!いい加減にか、え、れ!!
…何ニヤついてるのさ。
シズちゃんのばーか。そんなんじゃ、まだ言ってあげないよ。







(ゆっくり待ってるよ)
(きみがおとなになれるまで)