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明日は会えない


私―榑林 美華沙には好きな人がいる。
1年前から好きだった人で5回はアタックしてるんだけど、
どうしてもyesと答えてくれないんだよねぇ。。
友達の噂によれば私のことをその人も好きらしいのに何でー?


もう9月の後半。
あと半年くらいしか無い。
来年私が同じクラスになれば良いけど違うクラスになったら絶対に誰かに取られる!!
だってアイツはモテるから。
他の女子が放っている訳がない。今は私が好きだということが結構知られているから
今は大丈夫だけど。やっぱり5回フラれただけあるわ。。アイツに誰も告らない。
私がまた告るだろうと予想してるんだろう。もしかして私がフラれるのを面白がって見てるの!?

まぁ、良いや。言いたい人には言わせておけば良いよ。
終わりよければすべて良しって言葉があるし。

さて、私はどうやって告ろうかと作戦を練り中。。。
この前はちょっとロマンチックに放課後に学校の屋上で告ったんだっけなぁ。。
何回告っても緊張ってするもんだわ。
「好きです」って言うだけでも噛んでたし。
そうやって考えるとあの頃が懐かしいよ。。


私は顎に手を置いて思い出に浸っていた。


あ、こんなフラれた思い出に耽っちゃ先に進めない。
てか黒歴史だろ。フラれるっていう思い出は。


自分で黒歴史だということを理解し、
焦りながら如何すれば良いかと考えた。


今回はどうしよっかな。。
アイツとは仲は悪いって事でも無いんだよね。
だって一緒に帰ってるし。学校でも普通に話すしさ。
けど付き合って無いっていう意味の分かんない関係。
まぁ友達以上も何もないってとこ?

私は何としてでもその壁を乗り切りたいんだよね。
ずっと仲良くてみんなからも言われてたのに(最初の頃だけ)友達の他は無いって感じだったし。
そうゆうのって女子にとっては複雑すぎるんだよねぇ。。
私だけがそうやって複雑とかって思ってるのかもしれないけど。

うーん。。普通に学校帰りに告る?一番シンプルで良い気がする。
ハッキリ言えばその他が思い浮かばないだけだけど。。


私は考えながら眠りについていた。



告白当日。。つっても昨日の今日。

よし、今日の帰りに告る!
これでダメだったら諦めようかな。
フラれたら6回目になっちゃうもん。3度目の正直どころじゃ無い。


気合いを十分にいれて学校へ登校した。


学校の授業は見に入らず今日の放課後のばっかり考えていた。
今回が1番緊張する。最後って決めたからかもしれない。


とうとう放課後。
私はいつものようにアイツと一緒に帰る。
アイツは何も知らないから平然としたいつもの表情。
私は。。多分強張ってると思うんだよ。


「さて榑林帰ろうか」

「そうだね」

そして他愛もない話をしながら私とアイツが分かれる道まで来た。
もう告らないと。アイツが帰っちゃう!

「じゃぁ、気をつけて帰れよ。今は春と言ってもまだ暗いからな。」

「う、うん」

「?どうした?いつもそんなじゃないだろ?」

いつも私はどんな返事をしていたのかも忘れるくらいに緊張している。
心臓が2倍になってるんじゃなかろうか。音が異常に大きく感じる。

「わ、私!5回フラれててもう無理かもって理解してるけど、やっぱり好き!!」

「ちょ、いきなり告白かよ」

アイツは私がいきなり告ったことに対して驚きの声をあげた。
前回まではちゃんと呼びだすようにしていたから、
ちゃんと相手も告られると分かっていたんだろう。

「いきなりだけど今回で終わりにするから!これでダメだったらもう素直に諦めるって決めたの。だから返事はハッキリお願い!」

時間の流れがゆっくりに感じられた。
私の脳内はこの無言の時間が1時間くらいあったように思えている。


「俺は、美華沙が好きだよ」

ほら、やっぱり駄目だったじゃ。。ん?
え?今なんて言いました?

私はアイツの言った言葉がリピートされた。
何度も何度も。そして理解した時、涙を流した。

「なんで?なんでよ。。」

ぼろぼろと涙を流しながら私は今までの事から何でなのかを聞いた。

「俺は今までお前に馬鹿にされてるんだと思ってた。いや、俺が単に女から告られることに恥ずかしかったのかもしれない。
そんで今日、俺から告ろうとしたらお前から告られてきて。しかもこれで断ったら諦めるとか言いだすからヤバいと思ってさ、
お前から告られた事は腑に落ちないけど自分も今言えば同じだと思って。」

なるほど。。そうゆうことなんだ。

「そうだったの?本当に?」

私はまだ信じられず聞き直した。

「あぁ、嘘ついてないから。こんな時に嘘なんてつかねーよ。」

その言葉に私は涙が止まらなかった。
号泣した。アイツのことを抱きしめながら。。

「ってことは明日からは会えなくなるんだなぁ。。」

不意にアイツが言いだした。何言ってんだ?もしかして転校!?

「どうゆうこと?」

「ん?会えなくなるってのは友達としてもお前に会えなくなるってこと。これからは俺の彼女だろ?」

なんという口説き文句。。。。。
私は一瞬ビックリして止まったけど嬉しくなって元気よく

「うん!!」

と頷いた。


今までの友達の関係はさようなら。

これからの恋愛の関係がこんにちわ。



明日は会えない




END
【title:4m.a 】
タイトル的に別れを想像したんですけど、逆の発想を働かせてみました。

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