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A HAPPY NEW YEAR!!!


「ね!ね!初詣行こうよ!」

特番しかやっていないテレビを炬燵で見ていると美華沙が急に言いだした。

「今日はぎょうさん来るやろ。混むやんか。却下。」

えー。と駄々を捏ねる美華沙。
ずっと行きたいと言うもんだからこちらも根気負けし、しょうがなくついて行った。

「うっわ。めっちゃいるやん。逸れんようにしぃや。」

逸れられたら元も子も無いわ。。。

「うん、分かった。」

二人で手を繋ぎ、長蛇の列へと並ぶ。

「美華沙は何願うん?」
「うーん。。」

美華沙は難しい顔をしてブツブツ言った。

「健康と恋愛成就と家内安全と。。。」

恋愛成就。。?

「ちょぉ待ち、恋愛成就ってなんやねん。ワシがおるやろ、ワシが。」
「そうだけどー。。ちょっと違うんだよね。」
「はぁ?意味分からんわ。」

曖昧に答える美華沙に不安が過る。
まさか違う男が出来たんとちゃうやろな。
そないな事困るで。

思考を巡らせてると参拝の順が来た。

「お、ほな やろうか。」
「うん!」

二人で銭を投げ、拝む。

―――これからも美華沙と一緒にいれますように

拝み終わり声を掛ける。

「よっしゃ、家帰るか。」
「そうだね。」

初詣終わり歩くこと数分後。
家までもう少しのところで
思いだしたかのように彼女が声を上げた。

「あ。」
「なんや?」

まさかホンマに別れるとか言わんよな。
ゴソゴソと自分のバッグを漁る美華沙。

「あのね。。これ!」

渡されたのは茶封筒だった。
なんやこれ?
茶封筒を見てから美華沙を見る。

「中開けてみて!」

中。。。?
開けると薄っぺらい紙が入っていた。
白い紙だが赤っぽいラインが入ってる紙だった。
これって。

「結婚届けやんか。。」
「うん、私がお嫁さんじゃ不安かな?」

そう言う美華沙は照れ臭そうにしていて。
恋愛成就の意味はこれなのかと思った。

「んなわけあるか!頼りになる嫁はんに決まってる!」

こない頼り甲斐ある嫁はん他には何処捜してもおらんわ。。
そして続けて言った。

「ワシから渡すんが礼儀や思っとったんやけどなぁ。美華沙に先越されてしもうたわ。」
「え、それって。」
「断るわけあらへんやん。まず理由があらへんし。」

大袈裟に肩をすくめて見せると美華沙は笑って言った。

「これからよろしくお願いします。」
「おぅ。こちらこそやで。」
「やったー!」

それから仲良く帰宅し、結婚届けを出しに行った。

「ってことは願い叶ったやんか。」
「あ、そうだね。即効性あるねー!」
即効性て。。自分それ使い方間違って無いか?



健康と恋愛成就と家内安全…ああ足りない!
(叶えたい願いがあるから)



END
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