神喰 | ナノ
flower name


「役目を守れなくてごめんな。」

それが最後の言葉だった。

あれはリンドウさんがいなくなる少し前の話。
私はリンドウさんの部屋で雑誌を読んでいたら雑誌に花言葉の特集が載ってあった。

確か花だよね。。。

私はチラっとリンドウさんを横目に探した。

あった!

リンドウの花言葉は“強い正義感”と“的確”。
当たっている。如何考えても当たっている。
第一部隊のリーダーで仲間のことも考えるという視点からすれば絶対に当たってる。
花言葉って此処まで当たるのかと思うと怖い域だと思う。


「何やってんだ?」

リンドウさんは顔をしかめてる私を不思議に思ってこちらへ来た。

私は今見ていた雑誌を見せ、花言葉の事を言った。

「リンドウさんの名前って花じゃないですか。それで雑誌で花言葉調べてたんですけど。。」

「けど。。?」

「花言葉が当たってて怖いです。」

少しの間があって、その後に吹きだして笑っていた。
私は意味が分からず頭上にはクエスチョンマークが浮かんでいる状態。

「何で笑うんですかー!?」

「あぁ、悪い悪い。」

謝ってはいるが笑いを堪えている。

「自分で花言葉を調べたことは無いが姉上から自分の花言葉を聞かされた事はあったな。」

ツバキさんが。なんか想像つかない。でも幼少時代なら有り得る話だよね。
そんな事を考えていると話が進んだ。

「その時は美華沙が言ってたやつの他にもう1つ教えてもらったぞ。」

これ以外にもあるのかぁ。。気になる。!

「気になります!教えてください!」

「確か“悲しんでる貴方を愛する”だったはずだったかな?」

なんか凄く重いけど。。良い言葉。

「大丈夫か?思考停止したのか?」

リンドウさんは私の顔の前で手をひらひらと振っている。

「あ、大丈夫です。素敵な言葉ですね。」

「そうだろ?俺はこの言葉をちゃんと出来るようになりたいんだ。」

なるほど。リンドウさんらしい気がする。

「美華沙。」

リンドウさんは凄いとか考えていたら名前を呼ばれた。
さっきまで流れからは考えられないくらいの真剣な顔つきで。
私は不思議に思いながらも返事をした。

「どうしました?」

「俺は美華沙が悲しんでる時でもちゃんと助けてやれる男になるからな。誓っても良い。それくらい俺に適任の役目だ。」

びっくりした。まさかこんなに真面目に言われるとは思っていなかった。
でも言われると嬉しい。
私は照れながらも「よろしくお願いします。」と返した。



こんな会話をした後直ぐにいなくなった。

あの時、岩の壁を挟んでリンドウさんは私に言った。

「役目。守れなくてごめんな。」

この一言こそ今までの幸せな日々をフラッシュバックさせた。
最初はずっと泣いていたし、死のうとも思った。
でもリンドウさんは望んでいないと思った。
悲しんでいる時に愛してくれると言う事は
私が最悪の自体にならないように繋ぎとめてくれるという意味だと考えた。
もしかしたらリンドウさんは花言葉の時に時点で自分がこんな形になると考えていたのかもしれない。
だから私に言った。
そして私はリンドウさんの言葉を糧に今もゴットイーターとしていれるのだ。

いつか。
いつかリンドウさんが帰ってきた時に守られてばかりじゃなくて
私がリンドウさんを助けられることが出来たらどんなに良いだろう。

それこそが私をゴットイーターとして強くさせている。



拝啓 リンドウ様

私は今もゴットイーターとして。リンドウさんの彼女として。
頑張っています。だからリンドウさんはこれからも私が悲しい時に助けてくれる存在でいてください。

敬具 美華沙


END
花言葉書きやすいかもしれない。



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