俺はとあるアイドル事務所に所属する駆け出しアイドルだ。イズミという名でアイドル活動しているが、ファンからはズッチャンと呼ばれている。由来は知らない。

「イズミくん、今日もお疲れ様」
「うぃーす、お疲れ様です」

 この人はマネージャーの黒田さん。俺のためにいっぱいオーディションの予定を取ってきてくれる良い人。

「仕事終わりに悪いんだけどねイズミくん、今度控えてる歌番組のプロデューサーの人が君に会いたいって言ってるんだけど」
「あぁ…今日ですか?」
「うん、都合悪い?」
「大丈夫ですよ。せっかく黒田さんが人脈広げてくれたんだし」

 黒田さんは申し訳なさそうに笑って、そのプロデューサーが泊まっているというホテルの住所が書かれた紙を手渡してきた。いわゆる枕営業ってやつだ。しかも別にこれが初めてというわけではない。こういうのも仕事なんだって割り切ってる。

「えっと、ここか」

 俺は黒田さんと別れて、事務所から徒歩で15分ほどのホテルに来た。うわ、結構高級ホテルじゃん。
 俺は指定された部屋に行き、コンコンとノックした。

−ガチャ−

「はい」
「あ、こんばんは。イズミです」
「やあ、イズミくん。待ってたよ。どうぞ」

 中から出てきたのは三十代後半くらいのイケてるオジサマって感じの人だった。番組のプロデューサーにしては若いほうなのかもしれない。もっと年いったオッサンを想像してたから少しびっくりした。

「いいよ、適当にくつろいで」

 プロデューサーさんに言われ、俺はベッドに腰かけた。どうせすぐベッドに入らされるのだ。椅子に座ったら移動が面倒だし。っていうか、ここってやっぱ高級ホテルなのかな。結構部屋も広いし、ベッドはひとつしかないけどすごいデカい。

「コーヒー飲むかい?」
「あ、俺コーヒー苦手で」
「そうか。紅茶は大丈夫?」
「はい」

 そう言ってプロデューサーさんは俺に紅茶を淹れてくれた。彼は俺の隣に腰かけてニコっと微笑んできた。やばい、こんな格好いいオジサマ初めてで緊張する、かも。

「僕は今度イズミくんが出演する歌番組のプロデューサーをさせてもらってる五十嵐京介です。よろしくね」
「あ、こちらこそありがとうございます。俺、あの歌番組に出演できるのすごく楽しみにしてて」
「ほんと?嬉しいな」

 物腰柔らかい声。五十嵐さんと談笑しつつ、人生相談なんかにも乗ってくれた。このままの路線でいいのか、とか。ほんと、この人めっちゃ優しいんだけど。

「あれ、もうこんな時間だね」
「え、あ、もう日付変わりそうっすね」
「イズミくん、今夜は泊っていくかい?」

 キタ!!そうだ、俺はもともと枕営業をしに来たんだ。こんなほっこりお茶しながらお話しに来たわけじゃない。ここで帰るなんて言ったら、今後の仕事に悪影響を及ぼしかねない。

「あ、じゃあ泊ってもいいですか?」
「いいよ、じゃあ先にシャワー浴びておいで」

 五十嵐さんに微笑まれて、俺は顔が赤くなったような気がした。ああ、こんな優しいオジサマに抱かれるなら全然いいや。たとえベッドの上では野獣に激変してハードプレイとかさせられても、根がこんなに良い人ならそれはそれで…

「んぅ…」

 俺は風呂場で念入りに下準備した。あんまりお尻柔らかくしすぎると、あからさますぎるかな?まあでも五十嵐さんもその気だろうし、俺がやれることはやっておこう。あんまり風呂場に長居しても不審がられるから、俺は慣れた手で下準備を終わらせさっさと風呂場から出た。

「すみません、先にシャワー譲ってもらっちゃって」
「いいよ、イズミくんはお客様だからね」

 何度も俺に向けてくれるその優しい笑顔は、何度見ても慣れない。すごくドキドキする。やばいな、オジサン相手に俺は何を思ってるんだ。俺はホモではないぞ、断じてホモではない。

「一応ポットにお湯溜めてるから、何か飲みたくなったら勝手に飲んでいいからね」
「はい、ありがとうございます」

 そして五十嵐さんは風呂場に消えてった。俺はというと、柄にもなく緊張して、ベッドで正座していた。彼女を家に初めて呼んだ童貞男子か俺は。いや、まあ実際童貞。しかも非処女というダブルパンチだ。枕営業なんて、そりゃそんな数はこなしてないけど別に初めてじゃないのにな…

「お待たせ、イズミくん」
「あ、いがら……ッッ!!」

 五十嵐さん、そう言おうと思ったのに、脱衣所から出てきた五十嵐さんは上半身裸で、いや別にそれはいいんだけど、四十手前のオジサマとは思えないほどいいカラダをしていた。

「どうしたの、イズミくん?」
「え、あ、いや、いいカラダしてるなって思って!」
「ああ、もう僕もオジサンだしね。中年太りが怖くてジムに通ってるんだよ」
「へ、へえ…!」

 やばい、ぶっちゃけアイドルの俺よりスタイルいいんじゃ?っていうか何が一番やばいって、五十嵐さんのナイスバディを見て俺のムスコが反応してることなんだよ。あれ、俺ってやっぱホモなの?

「イズミくん?」

 いつの間にか正座を崩して女の子座りになっていた。内股でムスコを隠してる俺、滑稽すぎない?もうやだ、しんどい。

「どうしたの、僕のカラダ見て、興奮しちゃった?」
「…っ!!」
「あれ、もしかしてアタリかな?」

 五十嵐さんはクスっと笑って(そんな顔もイケてる)、俺をそっと押し倒してきた。

「あ、あの、五十嵐さ…」
「参ったなぁ、今日は別にイズミくんとこういう事するつもりじゃなかったんだけど」

 五十嵐さんは、俺の首筋にキスを落としてゆく。ど、どうしよう、枕でこんな気分になったの初めてでどうしたらいいのか分からない…!

「あ、あの…」
「しーっ、黙って」
「んっ、ふぅぁ…」

 唇にキスされてる。嫌じゃない。嫌じゃないってことは、俺、五十嵐さんのこと好きなのかな。出会って数時間で、俺って軽すぎるのか??

「こら、何考えてるの」
「え、な、何も」
「じゃあこっちに集中して」
「んあっ!」

 五十嵐さんが俺のチンコを扱いてる…!気持ちいのとテンパってるのとで、なんかよく分からない。え、え、いつもの枕営業と全然違う…!

「や、やら、すぐ出ちゃうからぁっ!」
「いいよ、一回イこうか」
「はあぁっ、あんっ…や、やらぁ…」

 ぐちゅぐちゅと卑猥な音が部屋に響いてる。五十嵐さんと俺の息遣いなんかも相まって、なんだかすごくこの空間そのものがエロい。

「んっぅあ、だ、だめ、出りゅっ…!」
「いいよ、ほら」
「ああぁんっ!!」

 とびきり高い声で絶頂を迎えた。ハァハァと肩で息する俺に、五十嵐さんは笑って「ん、いい子」と頭を撫でながら褒めてくれた。もう俺、この人のこと好きだ…

「じゃあ今度はお尻でイこっか」
「んぁ…」
「あれ、お尻柔らかいね。もしかしてシャワー浴びた時に準備してたのかな」

 五十嵐さんの指が、下準備の甲斐あってすんなり俺のお尻の穴に入ってきた。二本の指が何かを探すかのように動く。

「あぁんっ!そこらめぇっ!」
「ここ?」
「あっあっあぁんっやらやらッへんになるぅっ!」
「いいよ、変になって」
「やらぁあっ!!」

 こんなの知らない。お尻ってこんなに気持ちいいの。ドロドロに溶かされる。俺は首を振って嫌だと主張してるのに、五十嵐さんはやめてくれない。やっぱベッドの上じゃ優しくないんじゃん!

「ここ、イズミくんの前立腺だよ。覚えておいてね」
「じぇ前立腺…?」
「そう、男の子のお尻の気持ちいところ」
「ぁい…覚えときましゅ…」

 五十嵐さんの指が俺の前立腺をコリコリ弄る。気持ちよすぎてフワフワする。

「イズミくん、挿れてもいい?」
「んぁ、はい、挿れてくだひゃい…」

 俺がそう言うと、五十嵐さんのチンコの先っぽが俺のお尻の穴にキスしてきた。うう、早く挿れてナカをぐちゃぐちゃにかき回してほしい…

「はは、イズミくんのお尻ヒクヒクしてるね。そんなに欲しいのかな」
「はい、ほしぃれす…」
「じゃあゆっくり挿れるよ」
「んッあっあぁんっ…!」

 ぐちゅって音をたてながら、五十嵐さんのチンコが入ってきた。やばい、今まで枕したオッサンたちのより大きい…!

「んやぁっ、いがらしさんまっておおきいぃ…!」
「こら、そんなに締め付けないで」
「らって、らってぇ…!」
「ほら、息吸って。吐いて。力抜いてごらん」

 五十嵐さんの言うとおりに息を吸って吐く。その間、五十嵐さんは俺の脇腹を撫でていた。だんだん力が抜けてゆくのと同時に、五十嵐さんのチンコが俺のナカに入ってくる。

「あぁ、あっ…ッんあぁっ!」
「よく頑張ったね、全部入ったよ」
「んんぅ…」
「ごめんね、でももう少しだけ頑張って」
「ひあぁッ!あう、んっ動いちゃらめぇ…!」

 ダメダメダメ!何これ、なんでこんなに気持ちいいの。五十嵐さんが腰を揺らすたびに気持ちいい波が押し寄せてくる。気持ちいいのが終わらない。

「んあ、あぁんっあっあっ!」
「イズミくん、少しお尻に力入れてみて」
「んやっ、むりできなっんひぁあんっ!」
「大丈夫、イズミくんならできるよ」
「んふぅっ…」

 五十嵐さんが俺にキスしてきた。うう、気持ちよすぎて力なんて入らないよ。俺はほとんど感覚がなかったからできてるか分からないけど、なんとなくお尻に力入れてみた。

「うッ…いい子だね、イズミくん」

 五十嵐さんが少し顔を歪めて気持ちよさそうな声を出した。今の出来てたんだ。さっきまで優しく紳士っぷりを見せてた五十嵐さんの余裕がなくなっているのを見ると悪い気しなくて、俺はもう一度お尻に力を入れた。

「ッ…ダメだイズミくん、これ以上締めたらもたないよ」
「あッあぁんっ!おりぇも、おりぇももうイきまひゅ…!」

 五十嵐さんはラストスパートをかけるかのように強く腰を打ち付けてきた。優しい紳士が狼に変わる様子に俺は興奮していた。

「んあぁっあっ、ひぁあんッやぁああ−ッ!!」
「うぅっ…」

 五十嵐さんの精液が俺の奥にどぴゅどぴゅ注がれている。俺のチンコも射精して、俺と五十嵐さんのお腹を汚していた。

「お疲れ様、イズミくん」
「ぁ…」
「疲れたでしょ、寝てていいよ。あとは僕が綺麗にしておいてあげるから」

 五十嵐さんが優しく俺の頭を撫でる。気持ちよすぎて疲れたのかな。フワフワした意識のなか、最後に見えたのは五十嵐さんの優しい笑顔だった。

Fin
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