俺は、大学受験を失敗した、いたって普通の浪人生だ。

「はい、じゃあ今日はここまでだね」
「ありがとうございます…」

 俺の家はそこまで裕福な家庭ではない。浪人して国公立の大学に行くことを目標にしたはいいものの、予備校に通うお金なんてなかった。
 でも宅浪を選ぶと、それはそれでデメリットが多すぎる。何でも全て自分で勉強しなければならない。教えてもらえる人がいないのは厳しすぎる。
 だから間をとって家庭教師に来てもらうことにした。

「大野くん、最近頑張っていて偉いね。次の模試は結構いい点取れるんじゃない?」
「…だといいんですけど」

 しかし、この家庭教師(名前は確か魚住とか言ってた)、教え方も悪くないし学歴もいいんだけど、かなり難ありの男だった。

「じゃあ、頑張ってる大野くんにご褒美」
「は!?いいです、アンタのご褒美なんてろくなもんじゃない!」
「こら、アンタじゃなくて先生って呼びなさいって言ってるだろ」

 魚住は、決められた時間までちゃんと俺に勉強を教えてくれたあと、俺にやらしいことをさせるのだ。サービス残業だよ!つって。

「なんでだよ!いつもは模試の結果が伸びてないとか、課題の出来が悪いからって言ってお仕置きだっただろ!?お仕置きされないために俺は頑張ったんだよ、だから帰れ!いや、帰ってください!」
「だから今日はご褒美だって。いつもは大野くんがプライドをへし折っちゃうような恥ずかしいことばっかりさせちゃってるけど、今日は違うよ」

 何言ってんだこいつは。こんなこと言わなければただのイケメン家庭教師の称号だったのに。今ではド変態家庭教師だからな。

「ほら、大野くん」
「い、いやだ、はなせっ…ぅあ」
「ふふ」

 俺をベッドに押し倒して、魚住は俺の股間をまさぐってきた。もうこいつを先生と呼ぶ価値はない。

「ちょっ!ズボン返せ!」
「もう、大野くんほんとに嫌がってる?簡単に脱がされすぎじゃない?」
「うるさい!」

 あろうことかパンツまで脱がされた。俺は内股になって抵抗した。っていうか俺はいったい何をやっているんだ。

「ほら、大野くん。今日はご褒美だから大丈夫だよ」
「何が大丈夫だよ!全然大丈夫じゃねえよ!」
「今日は恥ずかしさなんて忘れちゃうくらい、気持ちよくしてあげるね」

 このド変態家庭教師は俺の話を全然聞かない。今に始まったことじゃないけど。魚住は自分で持ってきたらしいローションを手に馴染ませて、俺のチンコを扱いてきた。

「は?やめっ、何すんだよぉっ…」
「だから、今日は俺が気持ちよくしてあげるって言ってるでしょ」

 いつものお仕置きは、こいつの前でオナニーさせられたり、こいつにフェラしてやったり、そんなことばっかりだった。だからこうやってこいつに直接チンコを扱かれるのは初めてだ。

「ちょっまっ、あぁんっやっやめっ…!」
「わぁ、大野くんの喘ぎ声可愛いね」
「そうじゃなくてっ、んあぁあっ!!」

 俺はベッドのシーツを掴んで射精しそうになるのを耐えた。なにがご褒美だ。ご褒美くれるならケーキとか食わせろ。

「あれ、出すの耐えた?耐えなくてもいいのに」
「俺が嫌なんだよ…!」

 俺が反論すると魚住の野郎は笑って、今度は俺のチンコをベロッと舐めた。

「ぎゃぁっ!」
「じゃあ無理やりにでも射精させてやらないとね」
「いいっ!いらなっんあぁっ!」

 俺のチンコが変態家庭教師の口の中に…!

「な、やめろっ!」
「なんれ、きもひいれひょ?」
「そ、そこで喋んにゃぁあっ!!」

 変な声出た。無理。死にてえ…

「ほんとにッやめっ」
「んー」

 下半身のほうからジュルジュルと下品な音が聞こえてくる。俺のチンコを美味そうに(?)咥えてるコイツを見てると、なんか変な気分になってくる。

「うぅっ、吸うなぁっ」
「だーめ」
「あぁっ、あんっんふぅ…」

 射精を促すように吸われると、だんだん腰が浮いていくのが自分でも分かる。気を抜いたら出ちゃう。

「もう、大野くんは強情だなぁ」

 そう言って魚住は口を俺のチンコから離して、俺の足が閉じられないように間に入ってきた。

「な、なに…」
「強行突破します」
「へっ?うぎゃぁっ!」

 魚住はもう一度ローションを自分の手に馴染ませたあと、今度は俺の尻の穴をまさぐってきた。

「やめっ!ケツは無理!」
「大丈夫だよ。前立腺ってとこを弄れば、気持ちよくて射精できるよ」
「いいって、ってか射精したくねえんだって!」

 俺の反論も虚しく、コイツの指が俺の尻ん中に入ってきた。

「んあっ、むりぃ…」
「大丈夫、ゆっくりするから」

 そう言う問題じゃないんだ。コイツ、高学歴のくせに全然人の話聞かねえじゃん。俺はこんな大人にはならねえと、心に決めた瞬間だった。

「んぅ、気持ち悪い…」
「ごめん、ちょっと我慢してね。多分このへんなんだけど…」

 尻ん中を指が動いてる違和感で気持ち悪かったのだが、指がある一点を掠めた時、ビクッと腰が跳ねた。

「えっ、な、なに…?」
「見つけた」

 魚住はそう言って笑って、執拗にそこを指で弄りまくってくる。

「あッあんっ、それやだぁっ!」
「ご褒美だから、思う存分気持ちよくなってね」

 魚住は笑っている。本気で善意のつもりでやっているのだろうか。それならそれで頭おかしいし、だからと言ってワザとやっていてるならそれも腹立つ。

「あひぃっ!それ、もうやめっ、あはぁんっ」
「チンコも扱いてあげるね」
「あ、あぁんっ、まっまってあっあぁあんっ!!」

 気づけば腰と背中を大胆に浮かせていた。ダメだ、出る、出ちゃう。

「ほら、イっていいよ」
「出るッ出ちゃっ、あっ、ひゃぁあっあんっ!!」

 俺はひときわ高い声を出しながら射精した。しかも我慢してた分、快感の波がデカい。

「あっあひっ、ぁん…」
「はは、盛大にイったね。気持ちよかったでしょ」
「はぁっ、はぁ」

 俺は息を整えるので精一杯で、魚住がどんな表情で俺を見ていたのかは分からなかった。

「今日の授業はこれでおしまい。じゃあね、次までに予習しておいてね」

 魚住はそう言って部屋を出ていった。こんな浪人生活、早く終えたい。

Fin
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