高校2年生になった。クラスは5組。俺は教室のドアをくぐり、出席番号順で指定された席に着く。廊下側から3列目の一番後ろの席だった。俺の出席番号の前の佐々木くんは、黒髪だけど襟足と前髪が少し長くてヤンキーっぽかった。あまり見た目で判断するのは良くないとは思いつつも、変な絡みとかされたらどうしようかなんて考えてた。
なんて初日の心配をかき消すくらい、佐々木くんは良い人だった。ちょっと無愛想ではあるけれど、プリントを回す時はいちいち後ろを向いてくれる。俺の中でプリント回す時に振り返ってくれる人は良い人認定だからね。あと、授業中は静かだしノートもちゃんと取っている。佐々木くんが一日学校を休んだ日があったんだけど、次の日にノートを貸してあげたら驚きつつも喜んでくれた。持って帰ってもいいよって言ったのに、休み時間を使ってノートを写していたところも俺的にかなりポイントが高い。
そんな感じで、俺は次第に佐々木くんに惹かれていった。でも俺は、昔から好きでもない人にはモテるくせに、好きな人に好きになってもらえたことがない。男女ともに友達も多いし、女の子から告白だって何度もされた。でも、自分が仲よくなりたいと思った人にはなかなか好かれない。今回もそうだ。佐々木くんはきっと、俺のことを嫌いではないけど好きでもない。休み時間や昼休みは他のクラスのちょっとチャラそうな人たちとつるんでいて、俺と関わることはほとんどない。
そんなこんなで席替えをして、佐々木くんとは席が離れてしまった。俺は残念に思いつつも、心の奥底から湧き上がってくる欲望を抑えるのに必死だった。好きな子はイジメたい。それも性的な意味で。何で自分がこんな性癖なのか、ルーツはよく分からない。とにかく、佐々木くんを好きと自覚してから俺は佐々木くんの苦しむ顔が見たくて仕方なかった。
するとナイスタイミングで放課後、佐々木くんが一人で体育館の近くを歩いているところに遭遇した。俺は考えるより先に動いていた。俺は佐々木くんの行く手を阻むように前に立つ。
「佐々木くん」
「え、あぁ佐藤か…」
「今から帰るの?」
「まぁ、そんなとこ…」
佐々木くんはダルそうに俺を避けた。俺は諦めずにまた佐々木くんの前に立ちはだかる。
「え、何か用あんの?」
「最近佐々木くんと話せてないから話したいなーって思って」
「…悪いけど俺は眠いから早く帰りたいんだ」
「え〜そんな冷たいこと言わないでよ〜!」
「もう、邪魔だって」
佐々木くんに手を払われて、軽く殴られそうになった。と、同時に俺は、申し訳ないなと思いつつ、佐々木くんのみぞおちに一発くらわした。ごめんよ。俺は人がいないのを確認すると、佐々木くんを担いで体育倉庫に侵入した。これがあの、薬用リップ事件である。我ながら豪快なことしたなと思う。さすがにここまでしたことは今までにもなかった。しかしあの日の佐々木くんは本当に思い出してもヤバイ。何回でもヌける。
薬用リップ事件の翌日、俺も佐々木くんも普通に学校に来た。でも佐々木くんは俺を見るなり避けるようになってしまった。まあ、それは仕方ない。それにしても、その後一ヶ月くらいあからさまに避けられて俺は悲しんでいた。俺、焦らされるの嫌いなんだ。俺が相手を焦らすのは好きだけどね。ということで、強行突破しようと思う。
「やっほー、佐々木くん」
「げっ、佐藤…なんでこんなところに…」
俺は放課後、佐々木くんが帰るのを見届けると、先回りして佐々木くんを待ち伏せた。
「ひどいな、佐々木くん。俺のこと避けるなんて」
「いや、どう考えてもお前のほうがひどいことしただろ」
「俺はもっと佐々木くんと仲良くなりたいんだ。ってことで、今から俺と遊ぼう!」
「いや、話を聞け」
そして俺は佐々木くんの腕を掴んで、俺の家まで連行したのだった。
***
「なあ」
「ん?」
「なんで俺はベッドでお前に押し倒されてんだよ…」
佐々木くんを俺の家まで連行し、俺の部屋に案内して、そのまま彼をベッドに押し倒した。余裕そうな佐々木くんだが、少しだけ瞳に焦りの色が見える。平常心を保とうとしている子をぐちゃぐちゃにするのって興奮するんだよね。俺は口角が上がるのを止められなかった。
「俺、今日は別にお前に当たったりしてねえじゃん」
「うん、だから今日はお仕置きじゃないよ」
「え…」
俺はテキパキと佐々木くんのズボンとパンツを脱がしていく。佐々木くんは諦めたのか抵抗してこない。まあ楽でいいんだけど。
「抵抗しないの?」
「言いふらされたりしたら嫌だし」
「この場合は俺のほうがバラされる側じゃない?」
「お前がこんなことしてるなんて、誰も信じねえだろ」
「…なるほどね」
佐々木くんは物分かりが良かった。きっと根本的に賢いのだ。佐々木くんのこういうとこ、好きだなぁ。
「おい、ちょっと待て」
「抵抗しないんじゃなかったの?」
「ケツいじるとか聞いてねえし!」
俺が佐々木くんのアナルにローションをかけると、佐々木くんが抵抗してきた。
「男に二言はないよね」
「いや、だからケツとか聞いてなっ、うっ…」
「大丈夫だよ、今日はお仕置きじゃないからちゃんと気持ち良くしてあげる」
俺は佐々木くんのアナルに指を一本挿入した。ギチギチと俺の指を締めつけてくるのがウブな感じがして愛おしい。
「いきなり俺のチンコ突っ込んだりしないから安心して」
「くそっ、そんなことしやがったら絶交だからな…!」
絶交だって。ってことは、俺のことは友達として認定してくれてたのかな。可愛い。
「入口だんだんほぐれてきたね。そろそろいけるかな…」
「は、何する気だよ…」
「あ、大丈夫、チンコは突っ込まないから」
今日のところはね。
「じゃーん、これなんだ」
「は…?」
「エネマグラです!これで佐々木くんの前立腺を開発しちゃいます」
俺はエネマグラを少しずつ佐々木くんのアナルに埋めていく。入口を十分にほぐしたおかげで割とすんなり入っていった。
「ま、待って、さと…」
「大丈夫」
「んぅ…」
佐々木くんが歯を食いしばってお尻の異物感に耐えている様子は、控えめに言っても俺にとって良きオカズだった。丁寧にエネマグラを埋めていく。全部埋め込むと、佐々木くんの目に涙が溜まっていた。可愛い。
「佐々木くん、全部入ったよ」
「なんか気持ち悪い…」
「これから良くなるから」
俺はそう言って、佐々木くんと向かい合わせになるように横に寝転がった。一人用のベッドだから少し狭いけど。
「イチャイチャしよっか」
「へ、なんっ…」
佐々木くんと二回目のキス。あの薬用リップ事件の最後に触れるだけのキスをしたのが一回目。今回は佐々木くんの後頭部に手を添えて逃げられないように固定して、舌を絡める濃厚なやつだ。
「…んふぅっ」
時々佐々木くんから漏れる声に興奮しながら、俺は彼の口内を自分の舌で犯した。たまに下半身をビクビクさせているのを見ると、佐々木くんの前立腺はちゃんと刺激されているみたいだ。キスだけじゃ足りないって、言わせたい。
「さ、さとっ、ちょっとタンマ…っ」
「どうしたの?」
「なんか、ケツん中、変なんだけど…」
戸惑いながらそう言った佐々木くんが可愛くて仕方なかった。俺は優しく微笑んで彼の頭をそっと撫でてあげる。
「大丈夫だよ、だんだん気持ちよくなるから」
「んぁっ…」
前立腺なんて弄ったことないから、もどかしい刺激に困惑しているのだろう。俺はそれを手助けしてあげるように、佐々木くんのシャツをめくりあげ、乳首にそっと触れる。
「あぁんっ!ちょ、さとっ…」
「前立腺と乳首って繋がってるらしいよ。だから乳首弄ってあげるね」
「ぜんりつ…?え、なにッんぁあっ…!」
左右の乳首を人差し指と親指でつまんでやる。制止させようと佐々木くんは俺の腕を掴んで抵抗するが、あんまり力が入らないのか抵抗になっていない。
「ひぁぁあッやめっ佐藤っ…!」
「ほら、コリコリ〜」
「んぁぁああっあっ、ダ、ダメッ!へんッへんになるからぁあっっ!!」
体をビクビクさせて、歯を食いしばったり口をハクハクと動かしたり、顔をぐちゃぐちゃにしながら乱れる佐々木くんの姿に興奮が止まらない。もっと快感でわけわかんないくらい乱れる姿が見たくて仕方ない。
「佐々木くん、気持ちいいの?ふふ、チンコ勃ってる」
「あっあっちがっ、気持ちよくなんかぁあんっあっ」
「お尻、ちょっと力入れてごらん」
「えっおっ、おひり…」
佐々木くんは俺の言う通りにお尻に力を入れると、部屋に響き渡る悲鳴をあげた。
「ひゃぁああぁあっ!!」
「すご…」
わけの分からない快感にベッドの上で暴れまわる佐々木くんをあお向けに押さえて、俺は佐々木くんに馬乗りになった。乳首を弄るのはやめない。
「暴れちゃダメだよ」
「やだぁっもう乳首いやだぁ、あぁんっやっやめっ」
泣きながら頭を振っている佐々木くんだが、逃げようと力を入れると前立腺が刺激されて喘ぎ声が止まらない。そうだ、俺はこんな佐々木くんが見たかった。
「おねがっもうっもうイきたいぃっ」
「うーん」
「んあぁっ!もおやだぁっおかひっ…おかひくなるぅぅ」
「しょうがないなぁ」
まあ初めてだしそろそろ終わってあげよう。俺は佐々木くんのチンコを扱いてイかせてあげることにした。ドライでイけるようになるのはきっとまだまだ先だけど、俺がちゃんと開発してあげよう。
「はぁんッんっぅあ、だ、だめ、出るぅっ…!」
「いいよ」
「んあぁっあっ、ひぁあんッやぁああ−ッ!!」
佐々木くんは今日一番の声をあげて、腰を浮かせて盛大にイった。イってる間も前立腺が刺激されるのか下半身は痙攣している。俺はそっとエネマグラを抜いてあげた。
「お疲れ様」
「ハァ、ハァ…」
佐々木くんは肩で息をしている。下半身は未だにビクビクしているが、ちゃんと意識はあるようだ。
「お前さ…」
「うん?」
「俺のこと好きなのか嫌いなのか、どっちなんだよ…」
「…」
俺はその質問には答えず、笑顔で返した。
「疲れたんじゃない?寝てていいよ。あとは俺が綺麗にしててあげるから」
「ん…」
好きだよ、佐々木くん。でも今俺がそう言ったって、君は答えてくれないだろう。だから俺は外堀を埋めていくことにしたんだ。君が俺ナシじゃいられない体にする。だからそれまで待っててね。
「おやすみ、佐々木くん」
スヤスヤと寝息をたてる佐々木くんに触れるだけのキスをして、俺はタオルを取りに部屋を出た。
Fin