俺を傷つけるすべての苦痛へ。先に伝えたいことがある。それはいなくなってくれと頼むものではなく、また、ここにいていいと許すものでもない。ただわかってほしい。俺が君を傷つけることはない。君は俺を傷つけるだけなのだけれど。
 何もせずとも頭が痛くなる。次第に体の節々に異変が起こるのが痛みの中でじわじわと脳に染み渡っていく。その内に腹がどうしようもなくむかむかして、嘔吐感が全てを占めてしまう。なんと悍ましい。緊張から唾を飲み込んだ。味はしない。強いて言うなら鉄を噛み締めたような味が、したようなしないような。やっぱりしたような。――そこまで考えて首の絞まる感覚が呼吸を阻害していることにおかしくなった神経がようやく気付く。大丈夫。まだ大丈夫。よくもわからない異物に微笑んでから俺はそっと口を開く。

 寂しいね怖いね苦しいね。わかっているから責めない。追い出さない。でもここに君は留まっているわけにもいかない。鈍痛とも言えぬ痛みが広がった。俺は君を受け止めよう。俺の存在が君に何かを与えるならうれしいから、いくらでも泣いてむせいで喘げばいい。せめてのどが焼けるまで叫ぶがいい。さいごはわらっていいからね。






100401/エマージェンシーのなる頃に

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