べちゃり、と生々しい音と同時にどろどろした液体が降ってきた。手についたそれを舐めたら有り得ないくらい甘くて顔をしかめる。確実に顔面が茶色って、いやまあいつもは土色なんだが、不快だなあ。べとべとな感じが土とは違うし甘いから泥でもないし。

「喜八郎、何かわからないものなら舐めるな」

 これはなんだと見つめていたら隣を通り過ぎようとしたらしい滝がぎょっとして立ち止まった。次の授業はなんだっけ。次は…いやそれより顔を拭け、間違っても部屋に行くなよ。行かないよ。もういい私が拭く。会話が面倒になったらしい滝は手ぬぐいを取り出そうとした。しかし、今持ってないんだった、みたいな顔をして滝は液体をまじまじと見つめる。

「西洋菓子か、どこから飛んできた」

「さあ。」

「いつの間にか、とか言ったら怒るぞ」

「いつのまにやら」

「あー…面倒なやつだなあお前は。先生には言っておくからそれをどうにかしてから来い」

 じゃあな、と私を追い抜かした滝にありがとうと口に出さないながら思う。もう次の授業はいいか、な。じゃあ蛸壷でも掘りに行こうと廊下から踏み出す。一時間でどこまで掘れるか記録でもたたき出して見せようか。


「何故蛸壷を掘っていてしかも!それを洗ってないんだお前は!阿呆か!」

「案外馴れると美味しかったりする」

「どうでもいい!」






091018/チョコレート
bukkake!

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