※転生



 なんでいないのかむしろ不思議でならない。いつも右隣りに居て雷蔵の右腕は私だと喚いたのを三郎は私、だろう、と宥めたのも、最初はころころと顔を変えていて級友から怪しまれていたから私の顔を貸したのも、今わの際まで本当の顔を見れなかったのもすべて覚えていたのに。その偽物の三郎さえ思い出せなくなっている。夢として見る三郎はいつも狐の面を被り表情は見えないからもっと不安になるのだ。
 なあ、不和雷蔵あるところ鉢屋三郎あり、だろう。






090717/聞いてくれ

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