※猫耳



朝。

 起きたら頭に違和感があったので鏡を覗いたら三角形の猫耳があった。犬耳かと思ったんだけど毛が柔らかかったので多分猫。でも僕犬派なんだよね。話がずれた。なので朝に凄く、凄く弱い留三郎を叩き起こしてなんなのこれ、と喚いても留三郎は完全無視。どうしろって言うんだ。しかし無視されることがあまりにも悲しかったので布団をめくる。けど起きない。文次郎のとこ行っちゃうよ、ああでも留さんは僕のことどうでもよさそうだからなあ。

がば、

 自分でも聞こえないくらい小さな声で呟いたつもりが留三郎に届いたらしく。腕をおもいっっっっきり引かれ頭から布団に突っ込んだ。ぼすん。一気に叩きつけられくらくらする頭で、留さん僕お婿に行けなかったら嫌だよ、と言った。そしたら、間髪入れずに「俺が貰うから大丈夫だ」と事態がわかっているのかいないのか、その三角形を撫でた。じゃあいいかあ。



昼。

 おはようございます。あのまま寝付いて昼起きた、授業がなくて本当によかった。留三郎も昼間になって上がった温度に苛々しながら勉強している。葡蔔前進でその横に擦り寄るとぽすぽすと頭を撫でてくれた。今気付いたけど尻尾も見付かった。緩んだ袴の裾からぶらりと垂れ下がり右へ左へと揺れている。それを少しだけ伸びた爪で摘んだらぞくぞくした。きもちわるう。

 昼ご飯を食べに食堂に行ったらみんなすごい気にして小平太に契れそうなくらい引っ張られたけど最終的にはあまり気にしてないみたいだった。
補足:文次郎と長次は猫派のご様子



夜。

 どうやら理性が飛ぶとにゃあやら泣き声、ごほん、鳴き声まで出るらしい。伸びた爪も結局は留三郎の背中に引っ掻き傷を作ったし、尻尾に至っては喘ぎ咽び泣くまでぐっちゃぐちゃに弄られた。
 ひとつ利点があると言えば、留三郎が猫派だからいつもより甘やかしてくれることか、な。






090608/プリンシプル

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