タソガレドキと斉藤/「髪、とかしてあげる」にっこり笑った斉藤さんは、あり得ないくらいかわいい。でもこの人絶対猫被ってるから怖くて仕方ない。この間ケツ狙ってる宣言されたし。断りたい。掘るのは俺だと言ってやりたかった。


時友と七松/馬鹿にしないでくださいよ。してないけど、どうした?先輩はいつも大事なところで馬鹿のフリをする。僕にはそれが悔しくてじれったくて仕方ない。年下だから(それだけなのに)。相手にしてくださいよ。じゃないとばかになっちゃいますから。ぼくが。


鉢屋と久々知/「お前は俺じゃないよ」目の前の俺に言う。鉢屋は俺の顔でにやりと笑って喉を鳴らした。「私はお前じゃない、当たり前だ」ぬるりと気持ち悪いくらい滑らかに雷蔵に擬態してみせたそれが、なんだかとてつもなく嫌で思いっきり殴る。避けられたが。「嫉妬か?心配するなよ」黙れと。


鉢屋と猪名寺/「君には素顔をあげられない」雷蔵先輩が死んでも尚、僕の邪魔をする。怒られちゃう、と前よりも穏やかに笑う先輩が私の頭を撫でた。満足してよ、あげられない部分もあるのだから。先輩は笑う。(はやく気付いて。)私が我慢をしているのに、気付いて。


尾浜と綾部/雨が降ると雲のせいで少し色のトーンが落ちる。その代わりに教室の窓から見える傘が花みたいにいっぱいになって、カラフル。「白い菊。あれがひまわり。そっちが…」「その赤いのは?」花の名前を続ける綾部に尋ねてみた。「死体」「死体?」「飛び下り死体」






101231/鳥の鳴き声オムニバス

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