タカ丸さんは、俺に厳しい。俺もタカ丸さんに厳しい。そうやって生きていこう。そうやって、最後を迎えよう。蝶が不規則に舞っている。不規則に舞っているように見えるのは人の目から見た場合で、蝶にとって見ればまっすぐ進んでいるらしい。風によってかき回される進み方。俺はそんなもの嫌だ。手を伸ばす。タカ丸さんの首を掴んだ。鍛えられていない筋は細くて、すぐに折れてしまいそうだなあと思った。力を込めてみる。逃げないらしい。俺も止める気は毛頭ないが。じゅわじゅわと溶けるみたいに体温が集まる。猛毒のようでもある。タカ丸さんの声が手のひらに響いた。ねえたけやくん。ころすなら、ぼくをいっしょうあいしてね。そうおうのたいかをちょうだいね。タカ丸さんの細い手首(どこもかしこも肉の薄い人である。)が、俺の後頭部をわし掴む。手は大きい。気付けば、タカ丸さんは俺の方を向いていた。食べられる。たべられる。






101031/ごちそうさまでした

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