遺された人への
ラブレター
拝啓、微笑みと愛をくれた人へ
いつかの空を覚えていますか
記すことは別れの言葉ではありません
どうか貴方が私を忘れてくれますようにと
楔ではなく貴方の旅路の標となりたいのです
優しい貴方が泣くことのないように
愛は置いて逝くことにします
遺書でなく愛だと思ってくれたなら
満ち足りた眠りにつくことでしょう
締め括りには涙が滲んだ
それはただ、僕の幸福を祈るものでしかなかった
(君は何も心配せずに、ただ額縁の中で笑っていてほしい)
標:しるべ
弔文:ちょうぶん
ラブレター:遺書でない。愛だけを記す