去り行く四季に
君想う
花曇りに紛れた心
凍て解ける恋も逢瀬とあらば
深緑の風薫る丘で
繋いだ指は朱夏の空蝉
鬼灯の頬に口寄せて
愛を連れ去る桐一葉
白夜に別れの霜落つる
冬めく街に涙溶かして
春隣、貴方がひとつ遠ざかる
春待たずして死んだ人よ
世界すら、貴方を置いて行くのです
(願えどもあの日の冬はもう来ない)
凍て解ける:いてどける
朱夏:しゅか。春は青、夏は朱色、秋は白、冬は黒。
桐一葉:きりひとは
春隣:はるどなり。春となり、あなたのいない季節が始まります
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