小説 | ナノ

雨の永訣


彼は前だけ見据えていた

綺麗な記憶に追い縋る

宣告の棺

弔文などとはほど遠い

手が触れる幸せを覚えていて

セントエルモの灯火

鈍色の血潮を捧げよう

哀しい背中が泣くとき

貴方の瞳が生きてゆくなら

犠牲ではなく道となるから



彼らの勇姿を讃えるな

(死は高潔なものなどではない)
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