体育祭くらい喧しけりゃバイブ突っ込まれてもバレないよね!ってなった生徒指導教師×美術部員クロユシ。
ちょっとえっちぃといいな()



は、は、と荒く、熱い呼気が抑えることも出来ずに断続的に赤く色づいた唇から溢れる。
音がしそうなほど震える膝を叱咤しるように歯を食い縛り、なんとか喧騒から遠く離れた校舎裏の木陰にもつれ込んだ。
「……ん、ふ……ぅッ」
校舎の冷たいコンクリートに背を預け、内から這い上がる快感を押さえ付ける様に自身の身体を抱き込む。
か細く甘い嬌声を漏らしながら震える金髪と同じように、ジャージの薄い生地越しに両膝がもどかしげに擦り付けられた。
「っは、ぁ……」
燻る熱を呼気に乗せて逃がすように深く息を吐き、震える指先で上着のポケットからスマートフォンを取り出す。
しかし上手くスワイプのロック解除をすることすらできず、もどかしさに強く奥歯を軋ませた。
五度目でようやく解除をし、緑色のアイコンをタップしてアプリを開く。
いつでも最新であることを示すそのトークの序列の一番上のその人物に、クソが、と胸中で悪態を垂れながらメッセージを送った。
もうどうしようもないのだ、早く来てくれという旨を、物凄く遠回しにしたメッセージを。

は、とまた息を吐き、スマートフォンごと腕を投げ出して膝に額を乗せる。
体内のこもった振動音に合わせて跳ねる関節をあやすように、初夏でありながら涼しさを感じさる風が優しく頬を撫でていった。
内で暴れる異物をなるべく食い絞めないようにしようと努めるも、意識すればするほどその感覚が強くなる気がしてなら無い。
頼むからこれ以上は、とこの場にいない男に、懇願二割怒り八割で声に出さずに呟いた。
パン、と遠くでスターターピストルが鳴らされる。
「……ユーシス・アルバレア……?」
それに紛れてかけられた不審げな声に、はっと落としかけていた瞼を持ち上げた。
偶然そこを通り掛かったのだろう、半身を捩る形でこちらを見るその緑頭には見覚えがあった。
レーグニッツ、と声に出そうとして、そんな真似をすれば嬌声が先に漏れると思い止まる。
動くことすら思うように出来ずに、首だけを回して揺らぐ視線を向ければ、その先の男ははっと顔色を変えて近付いてきた。
「どうした!?顔が真っ赤じゃないか、熱でもあ――」
伸ばされた手を、来るな、と強い拒絶を込めて叩き払う。
それでも大した力が入らなかった為、驚かれはしたものの逆にその腕を取られてしまった。
「なに強がってるんだ、早く保健室に……!」
「、あッ」
ぐい、と腕を引かれた事によって角度を変えた体内のそれに、思わず声を漏らしてしまい慌てて掌で口を覆う。
その声に驚いたのか腕を引く力は弱まり、震える身体はまた膝から地面に崩れ落ちた。
「な、」
頭上から降る驚きと疑問に満ちた声に顔を上げられないまま、離してくれと願いを込めて腕を振る。
すると、その沈黙を破るように、第三者によって踏み締められた砂利が悲鳴をあげた。
「なに、どしたん?お前ら」
「せ、先生……」
素知らぬ振りをして側まで寄り、首を傾げるその銀髪をきつく睨み付ける。
誰のせいだ、と言外に非難すると、わざとらしく心配そうな声をあげてからマキアスとを隔てるような位置に屈み、小さくウィンクを飛ばしてきた。
「あーあ、熱中症かね、引きこもり美術部員さんにはしんどかったか?」
ひた、と額や頬に触れる掌が冷たくて、また漏れそうになる声を噛み締める。
「先――」
「マキアスは戻ってていいぜ、なんか仕事頼まれてこっち来たんだろ?こいつは俺が診とくから」
「……、はい、お願いします……」
そういつもの人好きのする笑みを向けられ、腑に落ちなそうにしながらもマキアスはくるりと背を向ける。
それでも校舎の影に姿を隠すまで向けられる、遠慮がちな視線がとても居たたまれなかった。
「はは、スリル満天だったか?」
マキアスの姿が消えて暫く経った時、ふと耳元で囁かれて全身がぶるりと震える。
その唇を遠ざけようと、ワイシャツ越しの肩を掌で押し返すと同時にその節の目立つ左手に顎を捕らえられ、赤い双眸に正面から見つめられた。
「こんなえっろい顔して熱中症ってのは無理あったかもな」
ふいにその眼差しが優しいものに変わり、ぐらりと思考を揺すられる。
「は、っ……ァ」
すがるように薄い群青色をしたワイシャツの胸元を握りしめ、戦慄く唇をそっと開いた。
抜いてくれ、と潤む視線で訴えれば、軽いリップ音をたてて額に唇を落とされる。
「さて、と」
「っア!、あッ」
しかし、懇願も虚しくスーツのポケットから取り出したスイッチは押し上げられ、ぐっと強まった激しい振動音とその衝撃に、目を瞠りながら腰を跳ねさせた。
「ぅッ、く、そ……っん」
「選ばせてやるよ、ユーシス」
いい加減にしろ、と睨み付けようにも、背を駆け抜ける快感に抗えずに腹を抱えて身体を震わせる。
無意識のうちに浮いた尻のその奥を押し広げる異物を助けるように中指で強く押し上げられ、それが堪らなくてついに押さえきれない涙が溢れ眼鏡のレンズに落ちた。
いつの間にか顎から首裏に回っていた指先が、脊椎の張り出しを楽しむように一つ一つ丁寧に撫で下ろす。
誘われるがまま顔を上げれば、二つの赤色がゆっくりと、悪質な形に歪められた。
艶笑を浮かべる唇が、犬歯を僅かに覗かせながら、開かれる。
「青姦と生徒指導室まで歩くの、どっちがいい?」



20150608







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