思いついたシーンを何となく書き殴っただけのクロユシちゃんが続いてしまったエロ


体重をかけて押し込まれた熱に逃げる腰を、強い力で掴まれより深く抱え込まれる。ソファの布地との間に起きた摩擦が、後ろ髪やワイシャツを捲りあげた。背もたれに肩から上を預け、限界まで身を丸めて真上から深く突き立てられる苦しさに、息を詰まらせながら喘ぐ。抽出に合わせてソファが軋む度に、自身の下肢から滴る粘液が剥き出しの胸を汚していく。
「ッ、ぅ、う」
押し出される様な呻き声は、既に色を乗せていた。他人と肌を合わせて夜を凌ぐ男を幾度買い、幾度抱かれたか。最初から数える気も無かったが、最早苦痛だけでない程に慣らされたというのに未だ互いに名も知らないのだから可笑しくてならない。
ばちゅ、ばちゅ、と男の腰骨が打ち付けられ、その度潤滑油と男の先走りが混ざった粘液が尻を汚し、糸を引いては床に落ちる。身を屈めた男の荒い呼気が耳元にかかる髪を揺らすこそばゆさに目を細めれば、興奮しきった様子で熱い舌が耳の軟骨を舐った。悩まし気な熱い吐息が、鼓膜をじんわりと蒸らす。
「……っは、……ユーシス、」
「ぅ、──ッ!」
吹き込まれた囁きに思考が追いつくよりも先に、全身が震え上がった。ビクビクと痙攣しながら迫り上がる快感の波に縮こまり、次いで鳩尾に飛んだ白い粘液に自分が達したのだと理解した。しかし内臓を侵す欲はまだ硬さを保ったまま、男が喉を鳴らすのを合図に酷くゆっくりと粘膜を撫で上げる。
「危ねぇ危ねぇ、持ってかれるとこだった、……まさか呼んだだけでイクなんてなぁ」
「ッ、やめ、……な、ぜ……っ」
上り詰めたばかりの粘膜は緩やかな抽出にすら快感を伝え、生理的な涙が溢れる。静止の為に伸ばされた手は男の腹筋を押したが、既に力の欠片も入らない腕は只男の支配欲を煽っただけの様だった。紅い双眸が細められたのを皮切りに、ずっぷりと奥深くまで貫かれる。
「ッ、ア、ァ、は……!」
ガクガク震える下半身に、快感以外の感覚が失せる。内腿に男の衣服が擦れるのすら気持ち良さを覚え、振り払う様に頭を振った。しかし男はそれを良しとせず、両の掌で頬を撫で上げ頭を抑え込んでくる。稚拙な音を立てて吸われた唇に、唾液の糸が引いた。
「郵便物その辺に放っぽってるから、見えちゃった。うっかり屋さんなんだなぁ、」
「んッ、ふ、ぅ、うゥ、っ」
「なぁ、ユーシス、きもちいい?」
上から押し潰されたまま、腰の動きだけの規則的で、しかし激しくもない抽出に全身が熱くなる。噛み締めた下唇をあやす様に這い回る舌は多分に唾液を含んでいて、そこだけが外気に冷やされ、呼気に熱されを繰り返していた。
放り出された郵便物とは仕事机に置き去りにした兄からの手紙だろう、確かに宛名で名前が解る、失念していた。
そう考えている間にも思考は快楽に塗り潰されて行き、気付けば男の舌を吸い上げ背にしがみつく様に腕を回していた。丸ごと食いつかれてしまいそうな荒々しく品のない口付けに打ち震え、注ぎ込まれた唾液を飲み下し、飲みきれなかった涎が顎を汚す。それを塗り広げるように首にしゃぶりつく男の耳を飾るピアスに齧りつけば、男が眼を丸くしながら頭をもたげた。
「……貴、様だけ、狡、い……もっ、と、」
刺激されることに慣れすぎた粘膜が、ふと動きを止め放り出されたことに切なく戦慄く。そこだけではない。全身が行為の続きを、激しく貪られることを求めていて、思考に靄がかかったように不明瞭だった。呼吸をすることすら、ぞくぞくして指先が震える。
「……、ユーシス……?」
「あ……っ、」
只名を呼ばれただけだというのに、腰が跳ね上がる。ぬるりと擦れた快感が癖になり、自分から腰を揺する。しかし体勢のせいで上手く動くことが出来ず、ひたすら身動ぐだけの微かな刺激がもどかしくて堪らない。ぽたりと、頬に男の汗が滴る。見上げた先の、困るような、喜ぶような笑みに、心臓が締め上げられたような錯覚を起こした。
「──なぁ、続き、して欲しい?……なら、呼んでくれよ、」
ギシ、と男が身を屈めた為にソファが悲鳴をあげる。耳元で吹き込まれた言葉にぼやける視界のまま目を向ければ、促す様に唇を、喉を、と節くれ立った指が滑っていった。
「……、クロ、ウ」
震える唇で反復すれば、途端に胎内に埋められた重さが一層膨れ上がった。目の前の男が興奮しているのだと全身が歓喜し、肌が粟立つ。壊れた玩具さながら何度も男を呼べば、やがて愉悦の溜息を吐き落とし、唇に噛み付いてくる。
「ッは、く、ろ、──ッ!」
離された唇から酸素を取り込まんと息をつくも、一呼吸も置かずに激しく揺さぶられ、伸し掛る身体に縋る事しか叶わなくなる。張り出した箇所が栓を抜く様な音を立てながら極浅くまで引かれ、かと思えば弱い所を的確に擦り上げながら結腸まで抉るように鋭く突き立てられる。痛い程の快感に、自分が既に達しているのかどうかも解らないまま喘ぎ、打ち震えた。
「ッユーシス、はッ、イきそ、」
「あァ、ッ、アっ、く、ろ……!」
剥き出しの興奮を曝す男の名を呼んだ直後、男が息を詰めてビクビクと押し込んだ腰を震えさせる。合わせて脈打つ胎内の熱から噴き出した精が、粘膜により深く快感を広げ、これ迄で一番の快楽に声にならない悲鳴をあげた。力強く抱きすくめられ、余さず注がれる種子に、おかしな錯覚を起こしそうになる。
引き抜かれた熱に、離された身体に、途端に全身が冷たく冷えていくようで、それに寂しさを覚えてしまったことに打ちひしがれる。
「はー、最高だったぜ、……タオル取ってくるな」
ちう、と額に落とされたキスの感触に、余韻に震える身体を放り出したまま、虚ろな視界を遮断するため瞼を落とした。





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20190307
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