若当主×JCをまたやらかした。祭りの途中で鼻緒が切れて怪我したJCちゃんをラブホに連れ込む若当主的なアレだったけども寧ろその当たり全部端折って書きたいとこだけ書いてしまった()
先天性女体化ですご注意を。





ちゃぷ、といつも入る湯船より少し狭いそこに、向かい合って座る。注がれる視線がいたたまれなくて、膝を抱えながら波たつ湯面を眺めていると、ふと水中で親指と人差し指の間に赤く傷を残す右足に大きな手が這わされた。
「染みるか……?」
ざぷ、と持ち上げられ空気に触れた右足を、真剣な表情でまじまじと見詰められる。呼気が触れる距離に寄せられた爪先が、緊張で小刻みに震えた。油の切れた錻力の様に首を横に振れば、そうか、と浴室の反響で常よりも大きく感じられる呟きが聞こえた。
ふと、唇が爪先に、触れる。
「あっ……!?」
直後、ぬるりと湿った粘膜が傷に這わされ、大きく全身を跳ねさた。それが舌であると認識する頃には親指を深く咥えこまれ、じゅるじゅると卑猥な音を立てて傷口ごと吸われ、舐られる。
「っや、なにっ……!」
性行為を思い出させるその舌遣いに、暴れる膝が湯面をのたうちバシャバシャと音を立てる。それでも掴まれた足首はびくともせず、寧ろ一層強く拘束された。
は、と一度離された唇から、湯よりも熱い呼気がそこを蒸らす。
「そ、な、吸わな……で……!」
時折傷口を抉るように食いこむ舌が、ぴりりと僅かに痛覚を刺激して、全身を震わせる。親指のみならず中指までを一気に含まれ、指の間をぬるぬると舌が好き勝手這い回る感触は酷く鳥肌が立った。だというのに、きもちわるい筈なのに、息が上がっていくのを止められない。
「――ッ!?」
瞬間、逃げることに夢中になっていた腰が湯に滑ってずるりと重心を狂わせる。沈む、そう思った時、反射で浮いた左腕を力強く引かれ、なんとか顔が湯に浸る前にバランスを取った。しかし右足は掴まれたまま、寧ろ今までより目の前の引き締まった裸体との距離は縮まり、左足も閉じることが出来ずに腰の脇に抱えられてしまう。
「あんま暴れんな、っン」
体勢的にきつくなったのか指から唇を離したその人が、不満気な視線を寄越して脹脛に噛み付いてくる。
「だ、って……!っひ!」
貴方が、と文句を紡ごうとした瞬間、硬い感触を秘部に感じて思わず引き攣るような悲鳴を上げた。全身の血がかっと駆け上がるのを感じながら、恐る恐るそこへ視線を下ろすと、確かに勃起した男性器が股の間に擦り付けられていた。
「ぁ、や……ん、んンっ……!」
びくりと腰が跳ねる度、入口を圧してくるその熱に、唇を噛んでぎゅっと目を瞑り必死で逃げる。しかし快楽に従順である様躾られた身体は怒張が秘部を擦る度とろとろと粘液を滲ませ、その滑りを助ける。
「っは、ぁ……まって、まっ……ん!」
段々と蕩け出した思考に、呼吸が上手く出来ないまま頭を振る。揺れる湯面に合わせてちゃぷちゃぷと鳴る水音が喘ぎを僅かに紛らわせた。
脹脛に這わされていた舌が、糸を弾いて離されるのが滲んだ視界で見える。
「……っ、ベッド……!するなら、ベッドが……いい、です……」
ぎゅ、と瞼を瞑り、なんとか声を絞り出す。途端、下肢に触れる熱がひたりと動きを止めた。
恐る恐る瞼を開けば、濡れて水を吸った前髪で表情の見えないその人が、ゆっくりと近付いてくる。
「――……焦らすんだ」
ひっでぇの。そう囁いた唇が、弧を描いて首筋を吸う。耐えきれず甘い声を漏らして喉を晒せば、そのままはぐ、と歯が痛みを感じない程度に沈められた。
「……ごめん、なさい……」
熱に浮かされたまま、剥き出しの二の腕に指を添える。湯船の底に張られたそこは筋肉の硬さを直に指先に伝え、ドクリと心臓が鳴った。私は何時も、この腕に、抱かれ、て。
「別に」
首筋を離れた唇は存外冷たくはなかった。気分を害してしまった訳では無かったことに安堵しながら、その唇がゆっくりと這い上がってくるのに合わせて二の腕に添わせた指も肩まで辿っていく。
「――先に上がって待ってる」
耳に直接吹き込まれた言葉に、ただそっと頷く。
ずきずきと痛む心臓が、震える関節が、駆け巡る血液が、早くあの人に無我夢中に求められたいと叫んでいた。








20160317
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