「バンパイアってさ、吸血鬼のことだよね?」

「他に何かあるのか」


それもそうか。もしかしたら何かあるのかもしれないけど、生憎と残念な私の頭ではわからない。
そんなことよりも柳くんの言葉の意味を考えようではないか。


「柳くんがバンパイアって…今日は4月1日じゃないよ?」

「俺はボケていない。…まさか、冗談だとでも思っているのか」


はい、と答えるほかない。だって普通はそうでしょう。
いきなり『俺はバンパイアだ』なんて告白されても素直に信じろっていうほうがどうかしてる。


「俺だって信じたくはないさ。だがこれは冗談ではないし、ましてやお前をからかっているわけでもない」


柳くんの真剣な表情に、嘘だ、なんて言えなかった。
よくよく考えなくても、彼がこんなたちの悪い冗談を言うわけはない。ならそれは、彼が事実を述べているということに他ならないのである。


「…それを、何で私に?」


ふと気になったことを聞いた。
大した根拠があるわけでもなく、ただ気になって具合が悪いのかと聞いただけなんだから、誤魔化せばそれで全て終わっていたかもしれないのに。


「…さぁ、何故だろうな」

そうやってはぐらかす柳くんが悲しそうに微笑んでいるなんて、鈍い私は気がつかなかった。


素直になれなくて
(俺がお前を好いているから)
(そう言えばお前は傷つくだろうか)




20100717
 ̄ ̄ ̄ ̄
吸血鬼要素どこ…!
次からは出ます吸血鬼。…多分。
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