きっと他の子からのチョコレートを見せびらかしに来るんだろうな、と思って渡しに行かなかった。
それどころか、私のチョコレートなんかなくてもいいよね、なんて開き直って用意もしていない。
しかし、
「俺に渡すもの、ないの?」
開き直ったことを後悔した。
激しく。むしろ禿げるくらい。
精市の笑顔が逆に怖い。
「…ごめん、ない」
「まぁ、別にいいけど」
助かった。
気まぐれな魔王様に感謝しないとね。
「美里を貰うから」
やっぱり前言撤回します。
甘いお前は最高の
(チョコレートより)
(ずっと甘い俺のお菓子)
20110214