もしあなたが好きな人に「忘れてくれ」と言われたならば、
一体どうしますか?
───For got...
FFIで優勝した、そのちょうど6年後。
俺達2人は結婚した。
「キャプテン、私っ・・・幸せです!」
彼女はそう言ってくれた。
本当に幸せそうだった。
もちろん俺もすっごい幸せだった。
きっと俺たちは、世界一の幸せ者だったんじゃないか、と今でも思う。
そんな日々が続いていたある日、彼女が異常に急いでいた。
「どうしたんだ?」
「遅刻なんですよ、遅刻!
ああっ、仕事に遅れちゃいます!もう私のバカ!
何で二度寝なんてしちゃうのよー!!」
───天然な彼女ならいつかやると思ってた。
「そっか、じゃあ行ってらっしゃい。
気をつけるんだぞ?」
「はいっ、行ってきますキャプテン!」
結婚してもう10年になるけど、未だに彼女は俺のことを「キャプテン」と呼ぶ。
マネージャー時代の名残だろうか。
でも、その呼びかたの方が彼女らしいな。
気づいたら彼女が出て行って10分も経っていた。
俺も会社へ行く準備をしなきゃ、そう思いのそのそと起き上がって服を脱ごうとした。
その瞬間、電話がなった。
こんな時間に誰からだろう、疑問に思ったが出ないわけにはいかない。
「はい、円堂です」
暢気に電話に出たその時までは、
確かに楽しい彼女との時間が存在していたんだ。
電話の相手はやけに急いだ様子で、
近くにある総合病院の名前と春奈が事故に遭ったことを告げた。
車の信号無視だと聞いた。
俺は会社に連絡も入れず、病院へ急いだ。
「出来る限りのことは尽くしましたが───
残念、ながら」
「ふざけんなっ!
お前それでも医者か!?」
「・・・もう長くはありません。
すぐに口が聞けなくなるでしょう。
だから、その前に」
信じたくない結果が待っていた。
でも、俺は今できることをするだけだ。
彼女の病室へと走る。
「あ・・・はは、キャプテン。
私・・・寝坊した、罰が当たっちゃいましたね」
「あまり無理するな、喋れることだけでいい」
なら、と一呼吸置いて彼女は今にも消えそうな声で呟いた。
「キャプテン、幸せに・・・なってください。
私は、もうすぐ死んじゃいます。
だから私のことは忘れて下さい。
キャプテンになら、もっと・・・いい人は居ます。
だから・・・だから。
幸せな時間をありがとうございました、
さようなら、お幸せ、に」
言葉が途切れた。
目蓋が閉じた。
小さな画面には直線が描かれた。
そして、高い長い音が室内に響いた。
目の前が暗くなった。
───あれ?
ここはどこだ、病院なのか?
俺はどうしてここに居るんだ?
俺は誰なんだ?
そして、
俺の頭の中に1つだけ残っている・・・
『春奈』という名前は?
I for g o t . . . .?
──────────
なんじゃこりゃあああああああ
円春のお話のつもりだったり
ちょっと意味が分かんない感じだけど、
オチは記憶喪失なんですよねー。
ショックで記憶喪失するもんなのか?
ま、いっか。
マイナーだけど好きよ
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