人は嘘をつく生き物だ。騙し、騙され。嘘をついた方が相手が幸せなこともあれば、相手が傷つくこともある。でもその代わりに自分の心を守ることができたりする。でも人間は真実を求める。
「フランは俺が好き?」
「大好きですよー」
「ずっと?永遠に?」
「センパイが望むのなら」
永遠なんてないって俺もフランも分かってる。でもこれからの未来を約束してほしいんだ。指輪や言葉なんかじゃ全然足りない。だって永遠が確実になるわけじゃないから。
「そんなに不安ですかー?」
ミーが信じられません?って言ったフランは悲しげな目をして優しく俺の髪を撫でるから、思わず横に首を振ってフランの胸に顔をうずめる。
不安じゃないんだ。きっと怖くて逃げてるんだと思う。フランは何かと冷めているからいつかは俺にも興味が無くなるんじゃないかって。だから誓いだとか永遠だとかに頼ってしまうんだろうな。
「大丈夫そう」
だってフランの心臓ドキドキしてるし。
そう言ったら笑って、センパイだって。って言われた。
確かな物はないけど、フランさえ側に居ればいい。だってそれ以上も以下もないって分かったから。
「ずっとずっと一緒ですー」
「当たり前じゃん。王子から離れるなんて許さねーから」
嘘つきで温かな人
(確かな物は鼓動だけ)