フランが他の奴に取られたらそんなのは嫌にきまってる。だからと言ってやきもちなんて妬きたくないし、嫉妬なんて格好悪いと思ってた。でも現在俺の目の前にはカス鮫と楽しげに話すカエルの姿がある。それを見て放っておけというのは俺にとって心底難しい問題であって、頭で考える前に体が勝手に動いていた。

「カエル、ちょっと来いよ」

イライラしていた俺はフランの細い腕を掴んで無意識のうちに自室へと向かっていた。
部屋に入ってすぐベッドに半無理矢理フランを押し倒して口を塞ぐと、苦しそうにしながらも俺に応えてくれた。
肩で息をしているやつが口を開いたから謝るのか?なんて思ってたのに生意気にも、やっとセンパイと二人になれましたー。なんて言ってくるからびっくりした。

「昨日センパイも隊長と楽しそうに喋ってましたよねー?ミーは嫉妬したんですよー?だからちょっとした仕返しですー」

「は?」

「仕返しの意味も分かんないんですかー?これだから堕王子は…」

フランの言葉を全部聞く前にまた口を塞いで

「俺はお前に怒ってんだけど?」

「ミーだって怒ってますー」

こういう喧嘩のときはどちらも引かない事を知ってる俺達は見つめ合ったまま笑いあった。

「ししっ、お子様かよ」

「センパイより精神年齢は高いですー」

「でも嫉妬してたんだろ?」

「それはセンパイも同じですー」


結局はどっちもまだまだ子供で。でも大人になんかなりたくないと願うのは俺達の我が儘ではないはずだ。



子供じみた恋愛でもしようか

 (たまには喧嘩して)
 (今日みたいに笑いあって)



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