「今日、雲雀さん誕生日なんですってね!」
「そうなんだ」
「覚えていないんですか!?」
「興味ないな」
ふあぁ、と書類を目の前につまらなそうに欠伸をする風紀委員長雲雀さん。
そして私は一応風紀委員の一員である。
よくあることで、一目惚れの相手が入っている委員会に入ったのだ。相手はもうお分かりだろう。
そして彼が恐れられているのと、風紀委員会の人気の無さの理由にはもう気づいていて、少し動揺はしたがまだ私は彼が好きらしい。
因みに、雲雀さんの誕生日情報は副委員長の草壁さんからである。
さて、話を戻そう。
私に大きな問題が残ってしまった。
もちろん好きな人の誕生日プレゼントは用意してあるわけで……それをどう渡そうか…
見た限り雲雀さんはかなり興味なさそうで、渡しても「そこに置いといて」と言うだけでいつか忘れられるような気がする。
どうしたものか…
「ねぇ、何ボーっとしてるの」
「!!…すいません…」
「別にいいけど」
そう言って、雲雀さんは私に目を向けた。
あれ、なぜかそのままなんですけど。
まるで少女漫画のように心臓が高鳴った。
「なん、でしょう?」
「それ、」
「それ?」
「それよこしなよ」
「へ?」
「僕のために用意したんでしょ?その鞄の中のもの」
「…」
なんと!
彼は読心術が使えるのか!?
私は雲雀さんへのプレゼントをいつもの鞄の中にいれていたのだ。
しかも何、むしろよこせと?
そうだ、彼は我が儘委員長でした。
でも私は彼が好きらしいです。
「僕への物じゃないの?」
「………」
仕方なく(?)私はプレゼントの小包を出して雲雀さんに差し出した。
「誕生日おめでとうございます」
「ありがとう、でももう少し早く出してほしかったな」
こんの我が儘委員長が…! と憤りを感じる前に、雲雀さんによるありがとう+微笑で目眩がしそうです。
「…すいません」
「まぁいいよ、これからはもっと早く出しなよ?」
「はい、………これから?」
「ダメ?」
「え、いえ……お金無くなっちゃいますよ…」「無くなったら君を頂戴」
「はい……は?」
「別に無くなってからじゃなくてもいいけどね」
「………」
後に私の頬がこれでもかと言うほど赤くなったのは言うまでもない。
--------------
1日遅れの雲雀さん誕生日記念です。
拍手なのに長々とすいません…