小説 | ナノ


▼ 04

シェーンブルーでは。
エステルはイシュトヴァーンの軍隊の圧倒的な力で、バヴィエーラを撤退させた。バヴィエーラの軍は、シェーンブルーの領地を進軍していた。

相当、シェーンブルーを舐めていたのか、1万人規模のバヴィエーラ軍。それを三万人のイシュトヴァーン軍の統率のとれた騎馬隊。


それを1時間の戦闘で…
バヴィエーラ軍を撤退させた。


その知らせは、すぐさまエステルのいる宮殿に届いた。

「嘘…本当に…?」

驚くエステルに、側にいたディアナはおかしそうに笑った。

「当たり前だろ。旧式なあんたらの軍と違って、あたし達はアルスラーンのお陰で新しい武器が買えるんだ」
「アルスラーンって…あの、ギュバハルルみたいな衣装の?」
「そうですそうです。どーも、エステル姫。いや、もう陛下でしたね」

ディアナの後ろから、彼女の肩に手を置きながらひょっこり顔を出したアルスラーン。

相変わらず褐色肌の彼はターバンなどのアラブっぽい衣装。実はアルスラーン、ギュバハルルの血を引いているために、イシュトヴァーンには珍しい褐色肌なのだ。

「アルスラーン…あたしに触んな」
「ちぇ」
肘鉄を食らいそうになり、むすっとしながらアルスラーンはディアナから離れた。ディアナはアルスラーンから距離をとるように離れた。

「久しぶりね、アルスラーン。貴方のお陰で、ってどういうことなの?」
「ああ、実はですね。僕、武器商人なんですよ。それで、自分ところには安く提供してるんです」

成る程ね、とエステルは納得した。
武器商人ならば、最新式の武器を簡単に手に入る。
それを自国の軍に提供すれば、イシュトヴァーンは他の国を出し抜いて強くなれる。

「貴方達が強いのはそういう事だったのね」
「そうそう。でも陛下、商売に関して僕は敵味方関係なく武器を売るので…咎めないでくださいね」
「それに関しては大丈夫よ」

敵国に武器を売ったところで、仕方ないことだと彼女はわかってる。そのことを反逆だとか取り締まるとかはしないつもりである。それを聞いて、彼は茶目っ気のある顔になった。

「それはよかったです。とりあえず、シェーンブルーの武器なんですけど…。あまり頑丈じゃないものが多かったんで、総入れ替えした方がいいですね。そんで、請求書です」
「…高くない?」
「総入れ替えですよ?」
「これは高すぎだわ。お金出せない。」

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