『幸せ』









「貴方は俺の心臓

俺は貴方の兵器


貴方の為なら自らを殺します

貴方の為なら奮って人を殺めます

貴方の為なら喜んで命捧げます


だから、もう悔いは、ありません」



要らない その様な戯言など


「貴方は、俺の居場所を作ってくれた、側に居てくれた……

俺は、幸せでした」


奴の口から紡がれた言葉と笑みに、息が詰まった


奴には赤黒く濁った世界しか見せてやれなかった
これがお前の居場所だと、生きる世界だと
ガスマスク越しに映る世界は如何ほど濁っていた事か

それなのにお前は、幸せだった、と


そうか、

私も幸せだったのか

私がお前との時間を『幸せ』だと感じた様に、お前も『幸せ』だったのか


(今更気付いた所で何になる?)


(そう、奴の命はもうすぐ尽きるのだ)


自嘲じみた私の笑みを 奴はどう受け取ったのだろう


時を刻むに連れて鮮明になるのは虚無感


馬鹿な


私は、お前が側に居てくれさえすれば、良かったのだ






『幸せ』





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『幸せ』
何をするわけでもなく、ただの上司と部下の関係だった。ただ一緒に居られるだけでも良かった。

ヴィル→←ジャク
両片思いのお話しでした。

ヴィルジャクは死ネタ(?というか暗いの)ばかり思い付くなぁ…幸せにしてあげたい…(・ω・`)
前に書いた【for】と少しリンクしてる気がする。
…でも【for】のジャックは自分が殺しをしている記憶は無いんだった←

2009.