政宗が死んだ。否、正確に言えば自分が殺した。それは世に気概を示すため仕方のないこと。徳川を陥れるにはこうするしかなかったから。なんて、今さら言い訳にもならないけど

「乱世の業」

皆そう言った。泣くように笑いながら。
皆政宗が好きで、でも私に気をつかって掛けた言葉。ただ自分は泣くことはおろか、笑うことさえできなかったが。

「まさむねぇぇ!」

と、孫市の悲痛の声はまだ耳に残っていて、酷なことに政宗を殺す直前、政宗が見せた笑顔までもがこびりついて離れない。

「儂を殺すのが兼続でよかった」

そう言った政宗の笑顔が

今さら嘆いた所で政宗が帰ってくることはない。そんなこと十分にわかっている。それは乱世を生きてきて嫌という程思い知らされたこと。
ただもう一度。もう一度だけ政宗に会えるとしたら愛してる、でなくごめん、でもない…

生まれてきてありがとう
出会ってくれてありがとう
愛してくれてありがとう
愛させてくれてありがとう

政宗という存在にただ感謝したい。そして次こそは乱世ではなく平和な世界で出会えるようにと祈って。




たった一人の

貴方に出会えた事が私の人生で一番の誇りに思う。




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