私は山犬のことがどうしても理解できずにいた。何故私と共に義の道を歩こうとしないのか?何故すぐに利に走ろうとするのか?そして何故、なんでも一人で抱え込もうとするのか?考えたらキリがない。

だが本当はその全ての理由をわかっている。わかっているからこそ許せなかった。

だって奴は独りじゃない。山犬が義の道を歩こうと言うのなら私も共に歩こう。そこには幸村や三成もいるのだ。そしてあいつの周りには孫市や小十郎だっている。

それでもまだ“独り”だと言うのか?

独りで歩き、潰れそうになり、それでもなお独りで立ち上がろうとするのか?

少しでも寄りかかってきたのなら私は何をしてでも支えるというのに。きっとそれでもあいつは独りで歩こうとするのだ。

そんな山犬が私は大嫌いだ。




大嫌いな人

そんなお前が嫌いだけどそれ以上に何もできない自分が1番大嫌いだ。






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -