「……ゆき、むら…」
「言いましたよね?政宗殿」

ビクリと政宗殿の身体が震えた。今の自分は余程怖い顔をしているのか。
だけどそれは全て政宗殿が悪い。

「私は何度も言いましたよね。気をつけろと」

彼はモテるから。彼に仕える者は勿論、敵までも彼を欲してる。それは私の友人も例外ではなく。

「幸村、違う。あれは誤解じゃ…」
「誤解?あれは私の勘違いだとでも?私の目には貴方の大嫌いな兼続殿に抱きしめられてるように見えましたが」

まぁ勘違いなどとは言わせないが、とにかくムカついた。政宗殿を抱きしめた兼続殿も、されるがままの政宗殿にも

「兼続がいきなり抱きしめてきたのじゃ。儂は、儂は…」
「じゃあ何故退かなかったのですか?」
「っそれは、」

きっと実は情に深い政宗殿のことだ。自分を好きという人を無理矢理剥がすことは出来ないだろうし、第一そうしようとしても彼の力では無理だろう。それでもムカつきは消せない。何より目が合った時の政宗殿の驚愕した顔が気にくわなかった。
私には知られたくなかったのか、と

「政宗殿、覚悟はできていますよね?」
「っ幸村、」

声を上げる政宗殿の口を塞ぎ、その場に押し倒した。




狂おしい程愛してる

いっそこの世界に貴方と私だけならよかったのに。




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