彼に会いに行った時、彼は必ずと言っていい程机に向かって仕事をしている。そして自分はそんな政宗殿の様子を眺めているのが常。だけど今日は違っていた。

「キス、しろ」

彼らしい命令口調で、でも普段なら絶対に言わない言葉に一瞬固まった。
「えっ、あの、政宗殿?」
「どうしたのじゃ?」
「いえ、まさか政宗殿から誘って頂けるなんて…」
「っバカめ!儂が言ってるのはキスだけ……んぅっ」

なにか言っていたが遮り唇を重ねた。始めは触れるだけのキス。段々と深めていき舌をいれた。この時の照れて顔を赤らめる顔が好きだ。
結構長いことそれをし、そろそろ酸欠になってるだろう政宗殿を思い離れようとしたがそれは彼により阻まれた。そして先程よりも深い口づけ。どうしたものかと思っていたら彼は息をしていないことに気付いた。

「っ!なにを、するのじゃ?」
「政宗殿こそ何をされているのですかっ?」

慌てて離れ半分怒鳴るように叫べば彼は笑った。苦しいのだろう途切れ途切れに。

「別に、ただお前の記憶に残ることをしたかっただけじゃ」と。

それを聞いて思わず自分も笑った。だってそんなことしなくてもこの愛しい人の存在は十分過ぎる程自分の中にいるのだから。




窒息死

貴方に溺れて息ができない。




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