「運命を信じますか?」

そう聞いてきたのは幸村。信じないと言ったのは自分。だって全て運命と片付けられる程軽いものではない。

「…じゃあ何故私と政宗殿は出会ったのでしょうか」
「それは、ただの偶然じゃ」
「そうですかね?私は絶対運命だと思うんです」

私が政宗殿を愛することは、

返事は次にと幸村は帰っていった。運命なんて信じたくはない。だけど幸村との運命なら信じたくもなった。だから賭けてみたかった。

「返事はもう決まっておる。早く会いに来い、バカめ」

なのに幸村は来なかった。武士の意地と命を散らした。歴史はなんて浅くて、儚い。

『これは私の運命です。
政宗殿愛しておりました』

兼続に幸村からと渡された文にはそう書いていた。最後までバカな奴だ。そして自分も。もう二度とあの優しい腕が儂を抱くことはない。その日儂は声を枯らすほど泣いた。




運命は残酷で

これが運命というならそんなものいらなかった。








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