「リンに恋人を教えてください」

知りたいの。
あなたを想うこの気持ちが『恋』なのか、そうじゃないのか。
本当は少し怖いけど、あなたが与えてくれるものは全て大切だって思えるから。

「リン…」

ご主人はぎゅって抱きしめてくれてから、またリンに『キス』をする。
さっきみたいに口の中を舐めるんじゃなくて唇を優しく食んで、時々ほっぺやあご先にもちゅっと唇を落としてくる。さっきもそうだけど、ご主人に『キス』をされると頭の奥がじんじんする。
なんだろ?イヤなわけじゃないんだけど、ふしぎな感じ。

「ひゃぅんっ!」

ご主人に再び胸をまさぐられて大きな声をだしてしまう。

(うー、なんか恥ずかしいよぅ)

さっきから勝手に高い声がでちゃって自分の体が自分のものじゃないみたい。

リンの気持ちなんて知らないご主人はおっぱいの先っぽをくりくりと指でいじって、もう片方は舌先だけでちろちろ舐めてくる。

「んあぁ…はあぁぁん」

またこの感覚だ。
ご主人がおっぱいの先端に吸いつくたびにお腹の奥がきゅんってなって、もどかしいような切ないような…すごく変な気分。

「リン、可愛い」
「はずかしい…です」

妙に落ち着かなくてもじもじしているとご主人はリンのお腹を軽くなぞって脚の付け根のところに手を差し入れてきた。

「えっ!?ご、ご主人、ちょ、まって」
「ごめん、無理」
「っ!!」

リンの下着のなかにご主人の指が入り込む。

「ひぃう!」
「濡れてる…」

ソコをなぞられると今まで以上に背中がぞくぞくして、初めての感覚に勝手に体が震えだす。

「ひゃ、あん、あ…くぅん、っ」
「リン…リン!」

ずぷっ!

「!!ったあ!!」

何これ!?ご主人の…指?
ヤダ、痛い!!怖い!!

「はあ…リン」
「〜〜〜っ」

ご主人の指がリンのナカをぐにぐにと探るように蠢くたびに引き攣れるような痛みが襲いかかってくる。

(これが『恋人』なの?
こんなのやだ、怖いよぉ…)

「うぅ…ひっく、ぐすっ」
「リン?」





******************************





泣き出したリンに驚き、慌ててソコから指を引き抜く。

「痛かったのか?ごめん、ごめんな」
「ご主人…ひっく、ごめんなさい」
「?なんでリンが謝るんだよ」
「だ、だって…恋人、教えてもらったのに、リン、我慢できなくて、な、泣いちゃったから…」

よほど痛かったんだろうか。耳を内側に折り込んで、しっぽは身体の内側に巻き込みぷるぷると震わせている。
こんなに怖がらせていたのか…。

「謝るのは俺の方だって。ごめんな、怖かったんだよな」
「うぅ、ご主人…うわあああああああん」

声をあげて泣き出したリンをぎゅっと抱きしめる。
俺にしがみついてわんわんと泣く姿に胸が締め付けられた。

「ぐすっ…ご主人、すきぃ」
「うん」
「本当に好きなの…大好きで、あなたになら何をされてもいいって、そう思えるのに…」
「うん…大丈夫、わかってるよ」
「…ごめんなさい。リンのこと、嫌いになっちゃいましたか…?」

不安に顔を歪めながらこちらを見上げて的外れな心配をするリン。
俺がリンを嫌いになるなんてとんでもない!
リンが誰よりも何よりも愛おしくてしかたないのに。

「俺がリンを嫌いになるなんて、そんなことあるわけないだろ!リンこそ俺のことイヤになったんじゃないか?」
「リンがご主人をキライになんてなるわけないです!」

ぎゅっと俺にしがみつく腕を強めながら即答してくれて心底ほっとした。。
あんなに泣かせてしまってもしかしたら嫌われたんじゃないか、ってすごく怖かったから。

「よかった…大好きだよ、リン」
「リンも、リンもです。大好き」
「ありがとう。今はそれで十分だよ」
「え、でも…」
「いいんだ」

本当はちょっとだけ嘘。今もリンの心も体も欲しくてたまらない。
このままリンに俺の想いを刻んで、突いて、吐き出して、全部俺だけのものにできたなら。
でも…。

「リンのこと、大切にしたいんだ」

俺に応えようとしてくれただけで本当に嬉しかったから。
いつか心から俺を受け入れてくれるまで、もう君を泣かせたりしたくない。

「今夜のつづきはリンがもう少しおとなになったら、な」 
「!…はい!」

ぱたぱたとしっぽを振って俺に頬ずりをするリン。
しっかりと彼女を抱きしめ返しながら、まだまだ続きそうな忍耐の日々を思い俺はそっと苦笑いを零した。 
 
 


わんこの愛し方
飼い主の幸せな苦悩は続く。


寸止めです。レン君をもやもやさせ隊。


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